センバツ高校野球 健大高崎、7年ぶり8強 相手のスキ逃さず快勝 /群馬
第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に2年連続7回目出場の健大高崎は大会第7日の26日、明豊(大分)を4-0で破り、7年ぶりの8強入りを決めた。準々決勝は第9日の第2試合(28日午前11時開始予定)で、山梨学院と対戦する。【早川健人、来住哲司】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 大会は雨で2日延び、健大高崎の選手たちにとって1回戦の学法石川(福島)戦以来1週間ぶりの試合となった。午前9時の試合開始予定に合わせて同4時に起床したが、雨のためプレーボールは午後1時33分にずれ込んだ。 コンディションの調整が難しい日程だったが、初回1死二、三塁で主将の箱山遥人(はると)(3年)の投ゴロで先制。続く森山竜之輔(同)が中堅に犠飛を放って2点目を加えた。 この日の応援は生徒、保護者ら約250人。得点が入ると、三塁側アルプス席で生徒たちが肩を組んで踊り、盛り上がった。生徒会長の米山純太朗さんは「試合を待ちわびていた。もっと勝ち進んでほしい」と声を弾ませた。 六回1死三塁、田中陽翔(はると)(同)の二ゴロで3点目。七回にも2死三塁で佐藤龍月(りゅうが)(2年)の遊ゴロが敵失を誘って着実に加点した。 左投げの主戦・佐藤が7回を投げ、右投げの石垣元気(同)が残り2回を締める、1回戦と同じパターンの零封リレーで快勝した。佐藤は「配球で、うまく緩急を使い分けて投げられた」と試合後に振り返った。 被安打は2人合わせてわずか3で、青柳博文監督は「佐藤は調子は悪かったが、しっかりと抑えてくれた。石垣は前回より落ち着いて投げてくれた。(2人とも)頼もしい」と持ち上げた。 捕手として2人をリードした箱山は「今日もゼロで抑えられて、うれしい。この先は簡単じゃないのは分かっているが、一戦一戦勝ち切った先に日本一がある」と前を向いた。準々決勝で対戦する山梨学院には昨秋の関東大会準決勝で2―3で逆転負けしており、雪辱を期す。 ◇はかまで応援熱く ○…健大高崎の応援部の女子生徒5人は白と紫の矢絣(がすり)の着物と紺のはかまを着用。メガホンを手に野球部員やチアリーダーとともに振り付けをしながら応援した。応援部顧問の塩沢光平教諭(33)は「以前は学ランに似た黒服を着ていたが、数年前に変更した。甲子園では夏は暑いので、今はセンバツだけ着る」と説明。新3年生となる副部長の大泉友里さんは「今年は全国制覇してほしい」と初優勝を祈っていた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■ズーム ◇泥臭く攻守で貢献 健大高崎・森山竜之輔一塁手(3年) 試合開始直前のインタビューで、青柳博文監督は「今日は特に森山に期待したい。前の試合は無安打で悔しがっていたから」と話した。その声に応えるかのように、初回の犠飛で打点を挙げ、七回には右前に自身の「甲子園初安打」を放った。アルプス席で観戦した父秀基さん(49)も「役割を果たしてくれた」と喜んだ。 初戦に続いて5番打者に入った。前回は2三振。クリーンアップの3人で唯一、快音が響かなかった。その後の練習で青柳監督に冗談交じりに「打順を変えるぞ」と言われ、発奮した。「きれいなヒットじゃなくていい。四球でも何でも、泥臭く出塁することを意識した」という。 三回無死一塁の守備の場面でも、好判断が光った。打者の三塁ゴロで三塁手からの送球を受けてアウトにした際、一塁走者が二塁を蹴って三塁を狙った。三塁ベースカバーにダッシュする投手の佐藤龍月(りゅうが)(2年)へ迷わず投げて走者を刺した。「佐藤を信じて、構えた所に投げた」 昨秋の公式戦ではチーム最多の16打点。青柳監督も「森山の打点が勝利につながった」と評価する。「初戦より緊張がほぐれた。準々決勝も勝利に貢献したい」と笑顔で話した。【早川健人】