【動画】大阪を駆け抜けた「ゼブラバス」を展示 ── おおさか市営交通フェス
緑の生地に、赤と白の縞模様──。パステル調の塗装が主流となっている現代の路線バスとはひと味違う色使いの保存バス車両が、このほど大阪市住之江区の市交通局緑木検車場で開かれた市営交通フェスティバルで展示された。インパクトの強いデザインに、高度経済成長期の大阪を駆け抜けた昭和の香りが漂い、来場者たちが盛んにスマホなどで撮影していた。
緑と白の縞模様に赤いラインがアクセント
この保存車両は「ゼブラバス」。深みのある濃い緑の生地に、10センチ間隔で約2センチの白線が6本巻かれ、ゼブラ模様を形成している。車体中央に太い赤のラインが走ることで、落ち着いた中にも都市の華やぎを醸し出す。赤のラインはワンマンカーを示していた。 1959年に路線バスに採用されたデザインで、印象的な縞模様から「ゼブラバス」と呼ばれて親しまれるようになった。72年の新塗装車両の登場以降、徐々に姿を消していくまで、高度経済成長期の都市交通を支えてフル稼働していた。
地下鉄の車体吊り上げ実演が人気
ゼブラバスの他にも、いろいろな種類の車両を展示。地下鉄旧100形は33年、御堂筋線開通時の車両だ。長い車両編成に慣れている現代人にはいささか意外だが、当時の地下鉄は車両1両で運行されていたという。 市電保存館が公開され、全国的にも珍しい市電車両を多数の鉄道ファンが見学。職員の説明を聞きながら、建造時期の異なる6両の車両を通じて、都市交通の技術革新史を辿ることができた。 迫力満点で人気なのは、地下鉄車両の車体吊り上げ実演。重たい車体がクレーンで吊り上げられ移動する様子を、参加者たちは歓声をあげながら見上げていた。 岸和田市からやってきた5歳男児は「車両の吊り上げがすごかった」と興奮気味。父親によると、5歳にして家族のパソコンで動画投稿サイト「YouTube」を自身で開き、鉄道の投稿動画をながめて楽しんでいるという。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)