【ベスト8決定版】アジアカップ戦力値ランキング2位。新監督のもと無敗!? 日本も注意…。アジア最強の攻撃陣と成熟度
AFCアジアカップ2023も決勝トーナメント1回戦までの日程を終えてベスト8が出そろった。勝ち上がった8チームのうち、最も戦力が充実している代表チームはどこなのか。今回は戦力を3項目(攻撃、守備、采配)に分けて数値化し、ランキング形式で紹介する。
2位:イラン代表 監督:アミール・ガレノエイ FIFAランキング:21位 戦力値平均:8.0(攻撃力9、守備力7、采配8) AFCアジアカップ2023に出場しているチームの中で最も成熟しているのはイラン代表で間違いないだろう。2022年に行われたカタールワールドカップとメンバーを比較しても、26人中19人が一緒で、長らく同じメンバーでの戦いを続けている。 この継続路線が功を奏して、ワールドカップ後に発足したアミール・ガレノエイ体制では、15試合で13勝2分と無敗で今大会のベスト8まで進出している。新監督のもとでは、未だに彼らを倒したチームはない。 そんな彼らの強みはアジア屈指のタレントが揃う「攻撃力」である。ポルトガルリーグで2度の得点王を獲得したメフディ・タレミを筆頭に、ロシアリーグで得点王経験のあるサルダル・アズムン、オランダ1部のエールディビジで得点王経験があるアリレザ・ジャハンバフシュらの破壊力は抜群だ。 この強力FW陣に加えて中盤では強烈なミドルシュートが武器で、プレミアリーグのブレントフォードで活躍するサマン・ゴドスを起用。超攻撃的な選手を並べる“ファイヤーフォーメーション”で、グループリーグを勝ち上がった。クロスに対して何人もの選手がボックス内に飛び込むなど、かなり前掛かりな戦いをするため、開幕前と比較をすると、「攻撃」の戦力値を1アップの「9」とした。 一方で「守備」の戦力値は「7」としている。かつてのイラン代表は堅守速攻のイメージが強かったが、現在は先述した通り持ち味である「攻撃」を全面に押し出すスタイルで戦っており、チームとして「守備」の比重は大きくない。ただ、シリア代表との決勝トーナメント1回戦のPK戦にて見事なシュートストップをみせたGKアリレザ・ベイランバンドを筆頭に経験豊富な守備陣がいるため、そう簡単に失点をすることはないだろう。 優勝を目指すガレノエイ監督は合流直後のアズムンをグループリーグの第1戦と第2戦でスタメンから外すなど、決勝トーナメントを見据えた「采配」を振るって計画通りにことが進んでいたが、シリア戦の途中でそれが破綻してしまった。それがエースのタレミの退場である。81分に1枚目のイエローカードを貰っていた同選手は、後半アディショナルタイムに相手のカウンターを阻止するべく後ろから掴んで倒してしまい、この試合2度目の警告を受けてしまったのだ。 これによりイラン代表はフィニッシャーとしても、チャンスメイカーとしても有能なエースを日本代表との準々決勝で失うことになる。奇しくもタレミは前回大会でも日本代表戦を出場停止処分のために欠場しており、2大会続けてイラン代表の命運をチームメイトに委ねることになった。この緊急事態をガレノエイ監督はどう乗り切るのだろうか。悲願の優勝に向けて、正念場が訪れている。
フットボールチャンネル