計量オーバーで失格となったビネシュ（左）。決勝進出で銀メダル以上を確定させていたが…。(C)Getty Images

　衝撃のニュースがレスリング界を駆け巡った。 　現地８月７日に行なわれたパリ五輪・女子レスリングのフリースタイル50キロ級決勝で、サラ・ヒルデブラント（米国）と対戦する予定だったビネシュ・フォガト（インド）。１回戦で日本が誇る須﨑優衣を劇的な勝利で倒して勢いに乗り、ファイナルまで到達した29歳だったが、なんと決勝当日の計量で体重超過が判明する。100グラム程度のオーバーが計測され、まさかの失格を言い渡されてしまったのだ。 【画像】病院のベッドで点滴を受けるビネシュの実画像 　母国インドの報道では、１回戦から準決勝までの３試合が開催された７日の朝の計量はパスしていたという。準決勝後に水分補給などで体重が増加してしまい、その後ハードなトレーニングやサウナ、ヘアカット、血を抜くなどあらゆる手段を尽くしたものの、50キロを下回ることはできなかったという。ビネシュは計量失敗を知るやその場で失神。過度の脱水状態で病院へ運ばれたと報じられていた。 　容体が心配されるなか、インドの元女子レスリング代表で2012年ロンドン五輪に出場し、ビネシュの従姉であるギータ・フォガト氏が最新画像をＸ上に投稿。病院のベッドで笑顔をみせながら点滴を受けるビネシュの様子を紹介し、「ビネシュに銀（メダル）をあげて」と訴えかけた。 　 　この投稿には300件を超えるコメントが寄せられた。「みんなそれを祈っているよ」「彼女は確かにメダルに相応しいと思う」「気持ちを強く持って！」「そう願いたいけど厳しいだろうなぁ」「インド・スポーツ最悪の日になった」「ハードワークに報いてほしい」などなど、激励やエールを含めてさまざまな声が寄せられている。 　女子レスリング50キロ級はビネシュに準決勝で敗れたジュスネイリス・グスマン（キューバ）が繰り上がりで決勝に進出。ヒルデブラントがこの一戦を３－０で制して金メダルに輝いた。同じくビネシュの欠場で３位決定戦に回った須﨑はオクサナ・リバチ（ウクライナ）と相まみえ、10－0の圧勝で銅メダルを獲得している。 構成●THE DIGEST編集部