「推したいゲーム大賞2023」を実施&発表します!この1年で、電ファミ編集部が「最も推したい!」と思ったゲームは『パラノマサイト FILE 23 本所七不思議』
「電ファミで、ゲーム大賞(アワード)とかやらないんですか?」 と聞かれることがある。のだけれど、正直に言うと、いまさら単独のメディアでゲーム大賞をやることには、かなり否定的である……というか、否定的だった。 『推したいゲーム大賞2023』画像・動画ギャラリー というのも、世界的なものとしては「The Game Awards」や「Golden Joystick Awards」がすでに存在しているし、日本でも「ファミ通・電撃ゲームアワード」などがあり、そことの差別化だったり、結局タイトルが似たようなものにならざるを得ないという意味で、いまさら労力をかけてまでやる意義が感じられなかったからだ。 唯一、X(旧Twitter)などを駆使したユーザー投票という形であれば、何か面白いことができるかも? と思い、昨年、「神ゲー・オブ・ザ・イヤー」という企画を実施してみたりもしたが、今年はXの仕様変更などもあって、断念をすることになった経緯がある。 そもそも、メディアが大賞を決めるというのも、上から目線っぽいというかなんというか、なんかイヤ。独自性があって、メディア単体でも“やる意義があるゲームアワード”とは、いったいなんだろうか?と、ずっと考えていたわけだ。 文/TAITAI、電ファミ編集部 ■「推したいゲーム大賞2023」を開催! ──と、前置きが長くなったが、本題へ。 すでに記事の見出しからも分かるとおり、この度、「推したいゲーム大賞2023」を実施&発表してみようと思います! 「推したいゲーム大賞2023」とは、文字通り、2023年でもっとも「このゲームは面白い! 応援したい!」「推したい!」と思ったタイトルを選出し、それを表彰しようというものだ。 ルールは簡単。電ファミ編集部のスタッフおよびライターで投票を行い、 1位=10点 2位=5点 3位=3点 4位=2点 5位=1点 という点数配分を前提に、それぞれタイトルを挙げてもらった。そして、最終的にそれを集計したものが、今回の結果となっている。ユーザー投票部門なども作ろうかと悩んだが、それはそれである種の人気投票になってしまうし、今回はあえて編集部のみに絞った形でやらせていただいた。 ちなみに、見事大賞を受賞したタイトルには、編集長のTAITAIが自腹でゲームを100本提供し、読者向けのプレゼントを実施【※】。「評判は聞いてたけどまだやってない」という人や、「すでに遊んでるが布教用に一本欲しい」という人がいたら応募をしてみてほしいと思う。 加えて。さらに大賞受賞タイトルには、ささやかではあるが、電ファミニコゲーマー上でプロモーションも行う予定。こちらは総額にして1000万円以上の広告出稿と同程度の持ち出しで、年末からお正月期間にかけて展開される。 期間中は「#推したいゲーム大賞2023」のハッシュタグと共にプレゼントキャンペーンを実施しているので、読者の皆さんからも、ぜひ温かい/熱い応援メッセージを頂ければ幸いだ。 というわけで、次のページから「推したいゲーム大賞2023」に選出されたタイトルを、10位から順に紹介していきたいと思う。 ■「推したいゲーム大賞2023」10位~5位 10位:『The Cosmic Wheel Sisterhood』━「シナリオを読み進めて選択肢を選ぶ」スタイルのテキストADVの金字塔となりうる これは、小惑星へ流刑にされた魔女の物語。魔女「フォルトゥーナ」を操作し、個性豊かなキャラクターや多数に分岐するストーリーを楽しむアドベンチャーゲーム。 ピクセル風の美麗なグラフィックや作り込まれたシナリオを兼ね備えつつ、「タロット(的なカード)」をゲームの主軸に組み込んだモチーフとの組み合わせ方も高く評価された。 9位:『Punch Club 2』━世界観とゲームの組み合わせがユニークすぎる 衝撃の、「ファイター管理」シミュレーター!? 近未来のサイバーパンクワールドを舞台に、「最高のファイター」を生み出すシミュレーションゲーム。トレーニングメニューから事務、財務、日用品の買い物まで……。プレイヤーは「チャンピオン」を作り出すために奔走する。1作目の『Punch Club』から進化した部分なども、高く評価された。 8位:『オクトパストラベラーⅡ』━王道にして正統進化。HD-2Dはついにここまで来た。 美麗なドット技術「HD-2D」を駆使したRPG、『オクトパストラベラー』。続く2作目の『オクトパストラベラーⅡ』では、さらにドット表現が進化。「昼と夜の切り替え」という新たなシステムを搭載しつつ、8人の主人公による多彩な物語も描かれる。バトルを盛り上げるBGMや、奥深いゲームシステムなども前作から引き続き好評。 7位:『バルダーズ・ゲート3』━「人生が足りない」 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の世界観をベースとしたRPGでありつつ、600万字以上のテキスト量や1万通り以上のエンディングという特大ボリュームを誇るタイトル。圧倒的なプレイ自由度の高さや、キャラメイクの多彩さも高評価。The Game Awards 2023を受賞し、日本のユーザーの間でも期待と認知が高まった。 6位:『HUMANITY』━センスの塊。こういうゲームがもっと出てほしい 主人公は………まさかの「柴犬」。 ゲームの舞台は、すべての人類から自我が失われた世界。プレイヤーはこの世界で唯一理性と意思を保ち続ける「柴犬」となり、「ワン」の一声によって人間たちを導いていく。ユニークでありながらも魅力的な設定や、アクションパズルゲームとしての面白さが評価された。まさに「センスの塊」と言える1作。 5位:『スーパーマリオRPG』━約27年ぶりにマロとジーノが日の目を浴びて嬉しい! 1994年に発売された『スーパーマリオRPG』。20年以上前の作品でありながらも、その完成度の高さから多くのファンがリメイクを待ち望んでいた今作が……なんと2023年に登場。当時のテイストを残しつつ、一部システムやグラフィックを現代風に仕上げた「良リメイク」として、多くのファンの期待に応えた。 ■「推したいゲーム大賞2023」4位~2位 4位:『ファイナルファンタジーXVI』━「召喚獣を動かせる」楽しさがすごい ━ロードなしで大迫力のバトルを楽しめる、圧倒的なゲーム体験。「FFのアトラクションに乗った」ような満足感 「ファイナルファンタジー」シリーズのナンバリング16作目である『FF16』が第4位にランクイン。PlayStation5で発売され、召喚獣同士による大迫力のバトルシーンや美麗な描写などが評価された。 また、The Game Awards 2023では「Best Score and Music」に選ばれ、バトルシーンに合わせたBGMの展開技術も高く評価されている。 米津玄師によるテーマソング「月を見ていた」、開発メンバーが一部共通している『FF14』とのコラボレーション、宝塚歌劇によるミュージカル舞台化も決定されており、コンテンツとしての展開も豊富。その息もつかせぬゲーム体験やキャラクターたちの魅力からも「推したいゲーム」として選ばれた。 3位:『ストリートファイター6』━“格ゲーの復権”といって差し支えない話題性があった ━格ゲー新時代の幕開け。キャラバランス、ゲームシステムなども申し分ない 大人気格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズのナンバリング6作目、『ストリートファイター6』が第3位にランクイン。選評コメントにもあるように、やはり印象深かったのはその「話題性」。 ビジュアルの一新や、新たな操作方法「モダン操作」による新規プレイヤーの取り込みなどにより、「格闘ゲーム」というジャンルを超えて多くのゲームファンからの注目を集めた。また、発売後の「吉田沙保里による“リュウの倒し方講座”CM」といった話題作りなども、ユーザーの間で大きな反響を呼んだ。 加えて、昨今の配信・eスポーツ文化ともかみ合わさり、今もなおプレイヤーを増やし続けている。まさに「格闘ゲームの新時代を切り開いた」とすら思わせる全体の熱量まで含めて、「推したいゲーム」に選ばれたと言えよう。 2位:『アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン』━発売されたことが何より嬉しいし、次世代にACが受け継がれていくことに感謝しかない ━「なにをもってしても作り上げなければならない」という使命感と意志によって完成したかのような凄みを感じさせる作品 火をつけろ、燃え残った全てに フロム・ソフトウェアのロボット3Dアクション「アーマード・コア」シリーズのナンバリング6作目、『アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン』が第2位にランクイン。 やはり、最も印象的だったのは「アーマードコアの復活」を象徴するタイトルとなったことだろう。長年待ち望まれていた「アーマードコアの新作」が、ついに発売された。 もちろんゲームとしての完成度も高く、ストーリーの面白さやキャラの魅力も合わさり、従来のACファンだけでなく新規のプレイヤーも増加する形となった。「アーキ坊や」「大豊娘娘」といったファンの二次創作も活発となり、SNS上でも大きな話題を呼んだ。 やはり選評コメントでも「ACが復活したこと」への喜びが多く寄せられており、ファンの期待に応えるゲームの完成度と、この新たな戦いの幕開けこそが「推したいゲーム」に選ばれた要因であろう。 ■「推したいゲーム大賞2023」大賞 1位:『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』━この価格に対する、この密度の濃さ! ━BGM・ビジュアル・ストーリーのすべてが期待値を超えてきた ━「メタ、ホラー、ミステリ」といった多くの要素を見事にストーリーに組み込み、キャッチーに昇華させた傑作 さあ 呪い殺せ! 「推したいゲーム大賞2023」第1位にランクインしたのは、スクウェア・エニックスより発売されている群像ホラーミステリーADV『パラノマサイト FILE 23 本所七不思議』。 やはり1位に選ばれたこともあり、かなり多くの選評コメントが寄せられているのだが……「ストーリー」「ビジュアル」「キャラ」など、どこか一点ではなく、たくさんの要素が幅広く人気を集める結果となった。そのくらい、ゲーム全体の完成度が高い一作と言えよう。 まず注目したいのは、その世界観。「昭和後期の東京都墨田区を舞台に、呪いの力を得た9人の男女が七不思議に隠された《蘇りの秘術》を巡る物語を展開する」……という、一応現代でありながらも今とは少し違う昭和の東京が描かれているところが面白い。 この舞台設定により、他の現代アドベンチャーとは違うテイストを持たせつつ、「《蘇りの秘術》を巡るホラーミステリー」としての雰囲気作りが実現できているのだ。それだけでなく、ある種のメタ的な要素や、ゲームシステムそのものを駆使した展開も仕込まれており、単純に「ゲーム」として飽きさせない仕組みが数多く存在する。 さらに注目すべきは、その「お手軽さ」だろう。 定価1980円で購入できる手の届きやすさや、10~20時間で楽しめるゲームのボリュームなど、ある意味「時代にマッチしている」とも言えるパフォーマンスの高さも評価を集めた。 やはり「このプレイ時間、この価格でここまでの満足感を味わえるのはすごい」という選評コメントもいくつか寄せられており、このお手頃な遊びやすさも「推したいゲーム」に選ばれた要因になったと思われる。 ユーザーの間でもこのお手軽さ、衝撃的かつ満足度の高いストーリー展開、個性豊かなキャラクターの魅力が着々と話題を呼び、「いま話題のゲーム」としての存在感を増していった。 同時に、それほど大きな規模感のタイトルではないからこそ、やはり「ユーザーの口コミによる広がり」が強かったようにも感じる。まさに、「このゲームはすごい!」と友人や知人にオススメしたくなる……「推したいゲーム」と言えるのではないだろうか。 そして、今回の「推したいゲーム大賞2023」第1位を記念し、今作のディレクターとシナリオを務めた石山貴也氏からコメントをいただいている。石山さん、ありがとうございます。 ・石山貴也氏のコメント え、本当ですか。本当に自腹で100本も!? すごい、ありがとうございます! 定価が安いからじゃないですよね!? 男前ですね! ……という賛辞も時代にそぐわなくなっていくのでしょうか。 どうも。このたび「推したいゲーム大賞2023」という栄誉ある賞を賜りました『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』のディレクターとシナリオ担当の、スクウェア・エニックスの石山と申します。石川じゃないですよ。石山です。 あとパノラマじゃないですよ。パラノマです。 よく間違われるので、ことあるごとに言い続けていきます。 さておき。 年に何十本とゲームをプレイしているであろう、電ファミニコゲーマーの編集スタッフさんやライターさんらが「今年推したいゲーム」として選んでくださったとのことで、本当にうれしく思っております。 なにせ、編集長が自腹で100本プレゼントに加えて1000万円以上の広告出稿と同程度のプロモーション展開だそうで! いやすごい! ありがとうございます! こうして、たとえ低予算のタイトルでも、ちゃんと面白ければ、ちゃんと評価されて、プロモーションまでしてもらえるという道を示すことができたのは、多くのゲーム開発者の励みになると思いますし、大変意義のある賞なのではないでしょうか。 なにせ昨今の業界では、新しいゲームの企画を会社に提案しても、果たしてそれが本当に魅力的なのか、作りきれるのか、ということに加え「で、新規のタイトルをどうやって皆に知ってもらうの?」と問われては、「むぐぐ……そ、それはSNSや動画投稿による口コミでの拡散を……」と返すしかない毎日を皆が送っているわけですから。(※一般論です) 希望の星です。ぜひ毎年続けて欲しいです。 思えば、ボイスもないオーソドックスなテキストアドベンチャーゲームが今こんなふうに評価されるとは、去年まで誰が信じたでしょう。そのくらい意外性と夢のある受賞ではないかなーと思います。我ながら。 なにかとあるご時世ですが、これから先も、いろんなクリエイターがいろんなゲームを作って、そしていろんなユーザーがいろんな評価をしていける、そんな世の中であって欲しいし、そこに近づけたのではないかと思った2023年末でございます。夢をありがとう。がんばってよかった。 つまり何が言いたいのかというと、『パラノマサイト』は来年以降もタテとかヨコとかナナメとかいろいろ展開させていきたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いします、ということで皆さま良いお年を。 さて、「推したいゲーム大賞2023」、いかがだっただろうか。 今回の大賞を記念し、なんと第1位の『パラノマサイト FILE 23 本所七不思議』を「100本」プレゼントするキャンペーンを実施している。まだ今作をプレイしたことのない方は、ぜひこのキャンペーンに応募してみよう。
電ファミニコゲーマー:TAITAI,電ファミニコゲーマー編集部
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- 『パラノマサイト』が30%オフで買えるお得なセールが開催中。ほかにもリマスター版『FF10/10-2』や『オクトパストラベラーII』などスクエニの作品がいろいろお得に