この時期の楽しみ。豊かな気持ちになれる「ブルーベリー&ブラックベリー」のブーケ&アレンジメント
藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい!
「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。 ブーケ&アレンジメントのバリエーションとそれぞれの解説を見る 藤野幸信/Yukinobu Fujino 広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。
6月の花「ブルーベリー&ブラックベリー」
ブルーベリーとブラックベリーはほぼ同時期に出回ります。両方の実をたっぷり使い、アスチルベ‘ライトピンク’、タラスピオファリム、パイナップルミントと合わせたアレンジに。ころんとした実の形は花にはないかわいらしさ。
たわわについた実はささやかな幸福感をもたらしてくれます
この時期の楽しみといえば、ベリーが切り花で手に入ること。ブルーベリーとブラックベリー、どちらも熟す前の状態で出回ります。ブルーベリーはツツジ科、ブラックベリーはバラ科のベリーで、よく家庭でも栽培されます。かわいらしい丸い実のベリーは、花とは異なる形でブーケやアレンジに変化をもたらしてくれます。何よりたわわに実をつけているのを目にすると、旬を感じると同時に豊かな気持ちになります。 ブルーベリーは実が浅い緑色から少しピンクに色付いた状態までが、切り花で利用できます。実の色がややシルバーがかっているのも魅力で、ブルー&パープルのクールな花合わせにとてもよく似合います。また、小さな葉はかためでしっかりしているので、あしらいに利用できます。ちなみにブルーベリーは紅葉も美しく、その時期にも切り花で出回ります。 ブラックベリーは、自宅の庭でも栽培していて、実が緑色から赤へと色付くころにカットし、贈り花に使います。ブラックベリーは熟して黒くなってくるとすぐに落ちてしまうので、その前に存分に利用させてもらいます。熟した実は生で食べると酸っぱいものの、とても爽やか。たくさん収穫できるのでジャムにして朝の食卓でも大活躍してくれます。 切れ込みの深いフランボワーズの葉をよく利用しますが、フランボワーズとは、バラ科のベリーを総称するフランス語です。日本語ではキイチゴとも呼ばれ、ブラックベリーやラズベリーもフランボワーズの一つです。 実付きのブルーベリーとブラックベリーが出回るのは、6月上旬~7月中旬の限られた時期のみ。贈り花に季節感をもたらしたいときに効果抜群なので、ぜひ利用してみてください。