【インタビュー】ロッテ・吉井理人監督 選手のやりたいことを叶えてあげたい「選手たちがプレーしやすい環境をつくるのが仕事です」
内野シャッフルは「チームを前に進めるため」
吉井監督の現役生活は1984年の近鉄バファローズから始まり、2007年にロッテで引退するまでの24年間で日米で延べ7球団に在籍。仰木彬、野村克也、ボビー・バレンタインにフランク・ロビンソンなど数々の監督の下でプレーしたが、特にこの監督の影響を受けたと言える存在はないという(理想の指導者像&モットー参照)。外から見て感じるのは、チームの雰囲気が良いこと。若い選手とベテランの間に壁がなく、変な派閥もなく、良い意味で和気藹々と全員が同じ方向を目指しているようだ。選手たちはもし何か言いたいことがあったら首脳陣に萎縮せずに言えるだろうし、そうなったときに首脳陣は耳を傾けることだろう。高圧的な空気はなく、これが令和の新しいスタイルのプロ野球チームの在り方の一つなのかもしれない。 吉井監督は今季、内野陣のコンバートを試みている。昨年の遊撃レギュラーだった藤岡裕大を二塁へ、二塁レギュラーだった中村奨を三塁へコンバート。昨年の三塁レギュラーだった安田には一塁も守らせている。その一塁にはDeNAから実績豊富なソトが移籍。内野の各ポジションは競争が激化している。昨年一塁を守った試合数が最多だった山口は必然的に外野起用が多くなり、その流れを受けて外野でもポジション争いが発生している。昨年は規定打席未満ながら自己最高の打率.277を残した藤岡やゴールデン・グラブ賞に選ばれた中村奨を動かす内野シャッフルは大胆なようでもあるが、昨年と同じでは進歩がない、という決意の表われだ。 内野シャッフルの目的については、チームを前に進めるためにです。いろいろな意味があるので一言では言えませんが、選手個々のためにも、チーム全体のためにも、そうしたほうがいいと判断したのでやってみようと思っています。この選手はこっちのポジションを守ったほうが向いているのだろうと私が判断したわけではありません。そこは、私は(野手について)素人なので分からないところで、現在進めているコンバートが果たして正解なのかも分かりません。先ほども言ったように、チームを前に進めるためにはこうしたほうがいいと思ったのです。それが成功なのか失敗なのかは、やってみないと分からないです。現時点での手応えも分からないです。選手たちは一生懸命にやってくれているので、今年はこれで戦っていこう。それだけですね。