「ソウル大は金メダル、延世大と高麗大は銀メダル」…韓国の名門高、寄付金で「進路指導優秀」教職員に「インセンティブ」
【10月16日 KOREA WAVE】韓国で名門高として知られる一部の学校で「名門大学」への進学実績に応じて、教師らに成果給を支給してきた事実が、NEWSISと野党「共に民主党」のチン・ソンミ議員(国会教育委員会)が実施した全国17の市道教育委員会への全数調査で明らかになった。 「ソウル大は金メダル、延世大と高麗大、韓国科学技術院(KAIST)、浦項工科大、警察大は銀メダル、西江大と成均館大、漢陽大は銅メダル」 大田市のある自律型公立高校には、このような隠れた基準がある。2008年から昨年まで、進路進学指導の最優秀教師を選び、賞金160万ウォンを支給していた。金品は卒業生が直接、教師に渡していたという。 同校は2008年から「〇×先生賞」というものを運営し、毎年計1000万ウォンの褒賞金を、選ばれた教師に支給してきた。基準は▽3年生の担任のうち1人を選ぶ進路進学指導最優秀(160万ウォン)▽学年別1人ずつ計3人に支給する学年及び学級経営最優秀(計420万ウォン)▽部長・担任を除く教師のうち3人を選ぶ学習指導及び生活指導優秀教師(420万ウォン)――の3種類だ。 「進路進学指導最優秀」教師は、他の2つの褒賞基準(教師らの投票により「努力した教師」を選定)とは異なり、「五輪総合順位決定方法」を適用して支給するとしている。生徒が進学した大学によって金・銀・銅をつけるというものだ。「進路進学指導最優秀」教師褒賞金を受け取ったのは計21人で、合計2960万ウォンに上る。この「褒賞金」は、卒業生の寄付金でまかなわれているという。 慶尚北道のある有名自律型私立高校は、2014年から昨年までの10年間、「財団学力成果給」名目で計9億9500万ウォン(約1億1000万円)を教職員に支給していた。支給内訳をみれば、「ソウル大1人なら240万ウォン(約26万円)、2人なら340万ウォン(約38万円)」などのような基準が定められていた。財源は寄付金で賄われる一方、支給プロセスで法律に違反したり、当局の学校会計処理指針に違反したりした例も確認された。同校は慶北道教育庁に対し、こうした成果給は当時の学校法人理事長が教職員の士気鼓舞のために準備した激励金だと説明している。 同道教育庁は、進学成果によるインセンティブを与えた点について「教員間で違和感が醸成され、名門大学進学のための破滅的な運営が懸念される。他の方法で教員の士気向上に努めるよう勧告する」としている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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