Marketing Briefing[日本版]: 現実味を増しつつある TikTok 禁止法、米マーケターやエージェンシーの反応まとめ
「もし」TikTokへの予算が別に行くとしたら?
おわかりのとおり、多くのブランドが怒りや不満をあらわにしつつ、エージェンシーたちは「もしも」を恐れて、TikTok以外に予算を振り分ける算段に頭を悩ませている。では、「もしも」が現実味を帯びたら、TikTokに使われていた予算はどこに向かうのか? その金が行く可能性がある場所として残るのは、インスタグラムやYouTube、スナップチャットなどだ。つまり、ショートフォーム動画の広告ビジネスを手がけているところなら、どこでもということになる。ビリオンダラーボーイ(Billion Dollar Boy)の共同創業者でグループCEOのエド・イースト氏は、2020年にインドでTikTokが禁止された結果、クリエイターやブランドがYouTubeショートに予算を移行したことを言及している。 イーマーケター(eMarketer)の分析によれば、その最大の利益を手にするのは、おそらくメタ(Meta)であり、それに続くのがYouTubeとGoogleだという。イーマーケターでソーシャルメディア部門の主任アナリストを務めるジャスミン・エンバーグ氏は、「TikTokの米国内における広告売上に目を向けると、我々の予測では、2024年は90億ドル(約1兆3500億円)弱になると見込んでいる」と述べている。 一方、インボルブドメディア(Involved Media)のグローバルチーフデジタルオフィサーであるマイケル・ドブソン氏は、「混乱や禁止によって競争がさらに激化し、ほかのプラットフォームでの広告コストが上昇する」と予想している。 詳しい内容は以下の記事で TikTok禁止法が「もし」米国で成立したら、予期せぬ利益を得るのはどこ? TikTok禁止がインフルエンサーマーケティングにもたらす影響を探る
TikTokが広告主にとって魅力的なのは変わらない
しかしながら、TikTokはもはや単なるダンスアプリではなくなった。「(TikTokは)みずからのオーディエンスを理解していること、そしてオーディエンスに火をつけることができるコンテンツの配信方法を知っていることを示してきた。広告主として、我々はそこに注目している」と、VMLのチーフメディアオフィサーであるジェニファー・コール氏は述べている。 昨年9月には、eコマース機能のTikTokショップで、TikTokはこれまでで最大の目標を達成した。Googleではなく、TikTokで検索するようになった人が増えていることから、TikTokは検索を販売するための広告フォーマットもテストしていた。 TikTokは広告サービス以外にも、だれもが欲しがるZ世代のオーディエンスや高い評判、バイラルビデオを誘発するアルゴリズムで広告主の注目を集め続けている。音楽関連の規制や政府による禁止措置の影響はまだ顕在化していないが、依然として勢いを増しており、広告主がいまもこのプラットフォームから撤退してはいないのも事実だ。 詳しい内容は以下の記事で TikTokは禁止法の影がちらつくなかも、さらなる進化を実現しようとしている
編集部