タキシードの必要性について。
タキシードってホントに必要? この機会に長年悩んでいた問題を皆にぶつけてみた。「買う理由はない。襟付きのシャツでさえ必要としていないんだ」と言っていたフィリップ・T・アナンドの話は極論だが、鈴木大器さんも持っていなかったのは意外。「機会に恵まれずダークスーツで済ませているのが現実です。欲しいけど必要かどうかはわからないですね」と答えてくれた。 優等生を目指す必要はないけれど、意識するところから、大人への道は始まる。 一方必要派の話。下の3人の他にもトム・サックスは「女性がドレスで輝くにはタキシードが必要だよ」とロマンチックなことを言っていたし、〈スリーピー・ジョーンズ〉のチャドも「お祝い事に出席するわけだから、タキシードで敬意を表現するべきだ」と教えてくれた。これには痺れた! でも、一番納得したのは下のマギルやスコットのようにカジュアルなものと合わせてドレスダウンするってこと。それなら活躍の場も広がりそうだ。すぐに決断しなくてもいいけど、足を止めてちょっと考えてみたい問題だ。
タキシードを着て、スニーカーをつっかけて結婚式に行くよ。
僕はよく結婚式に出席するときにタキシードを着ていく。この夏、友人の結婚式があったからこんな格好で出かけたんだ。足元は素足に〈VANS〉で、キャンバスのトートバッグを持っていくくらいギャップのあるスタイルが好きだ。その代わりボウタイもして、ラペルはよりフォーマルなピークドでドレッシーさもちゃんとね。
いつでもタキシードは準備OKだ。中はTシャツで出かけるんだ。
男はみんな美しいタキシードを持っているべきだと思っているよ。さらにいえば、合図があればすぐに着て出かけられるように準備しておかなくちゃならない。でもあまり構える必要はない。ショールカラーならレイドバック感があるし、こないだCFDAアワードに出席したときは、黄色いリンガーTシャツを中に着て出かけたんだ。
タキシードには白タイを。英国式なフォーマルが好き。
タキシードは必要だよ。イギリスのオックスフォードで青年期を過ごしていたんだけど、その間は週に1回はタキシードを着る機会があったからね。よくホワイトタイを身に着けていた。そのせいか、今でもホワイトタイを着けてないとドレスアップできてない気さえするんだ。写真は去年参加した友人のウェディング。 photo: Yoshihiro Makino, text: Momoko Ikeda, edit: Tamio Ogasawara(2018年10月 858号初出)
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