パリ五輪の日本代表はどうあるべきか OA枠を利用してメダルを狙うより必要なこと
「挫折をバネにする」 同年代の選手同士でひとつになって戦い、力及ばずに敗れたとしても、その挫折から立ち上がることで、猛烈なパワーを生み出す。もちろん、一丸となって勝利を勝ち取ることができればすばらしいが、たとえ敗れても大いなる価値がある。育成年代と捉えれば、それこそあるべき姿だろう。 五輪の舞台に立てなかった選手が、目覚ましい成長を遂げている例も忘れるべきではない。シドニー世代の遠藤保仁、アテネ世代の長谷部誠、ロンドン世代の大迫勇也、リオ世代の伊東、守田、鎌田など、枚挙にいとまがない。挫折こそ闘志に火をつけるのだ。 メダルにとりつかれてOAにすがるよりも、23歳以下の選手の力を糾合し、どこまで戦えるか。もしOAが入ってきたら、高井や荒木のような才能のきらめきを曇らせることになるかもしれない。ここは彼らの未来に投資すべきではないか。たとえ敗れようとも――。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki