「勝者なき臨時国会」閉会 「熟議の国会」石破総理アピールも…与野党で痛み分け
24日、臨時国会が閉会しました。石破茂総理大臣は記者会見で「熟議の国会となった」とアピールしましたが、企業・団体献金を巡っては与野党の折り合いがつかず、来年の通常国会で大きな争点となります。 【画像】石破総理「少数与党で意見がそのまま通らないことも承知している」
■与野党で痛み分け「勝者なき国会」
24日に可決・成立したのは、政策活動費の全廃など政治改革関連の3つの法案です。閉会後、石破総理は成果を強調しました。 石破総理 「“熟議の国会”にふさわしいものになったのではないか。自民党総裁として申し上げた改革メニューは、いずれも年内の法制措置を実現できた」 しかし、実際のところ与党・野党いずれにとっても痛み分けとなる「勝者なき国会」となりました。 石破総理 「少数与党であるので、自分たちの意見がそのまま通るわけではないことも承知している」 自民党は当初、政策活動費の一部をこれまで通り「非公開」にすることを主張していましたが、野党の批判が相次ぎ撤回に追い込まれました。 立憲民主党 野田佳彦代表(2日) 「新たなブラックボックス、第2の政策活動費を作ろうとしている」 与党の思惑を覆した立憲民主党など野党も、本丸の企業・団体献金の禁止を実現できず、不完全燃焼に終わった形です。 野田代表 「年度末まで宿題は残りましたが、立憲民主党の存在感を来年の通常国会で示していきたい」 議論は年明けの3月末までに結論を得るとの申し合わせで、先送りとなりました。 石破総理 「先般の選挙で示された国民の厳しい声を踏まえて、政治改革には特に強い思いで取り組んできた。信頼回復が果たされたかどうかは、私どもが判断してはなりません」
■「103万円の壁」協議は年明けへ?
この1年、いわゆる「裏金問題」で荒れに荒れました。 自民党は政治的なけじめとして、一定額を「党費」から寄付する方向で検討を進めていますが、その原資を巡って党内からは異論が出ています。 自民党 鈴木俊一総務会長 「不記載をした議員が寄付をするのではなく、『党費が財源になることは、党員の理解が得られないのではないか』。不記載議員は手元に金額を残すことになり、『理解できない』との意見があった」 裏金問題で少数与党に転落した自民党。一枚岩でまとまるどころか、今も党内の足並みは乱れています。 「年収103万円の壁」の引き上げと引き換えに、補正予算に賛成した国民民主党も、スッキリしない年の瀬となりました。 24日に予定されていた3党協議は、自民党の宮沢税調会長の日程が合わず急きょキャンセルとなり、協議は年を越す可能性が大きくなりました。 国民民主党 古川元久代表代行 「2月末とか3月頭ぐらいが、ギリギリ最終のデッドラインになるのでは」 「勝者なき臨時国会」が閉会し、議論の場は年明けの通常国会に移されます。 (「グッド!モーニング」2024年12月25日放送分より)
テレビ朝日