映画『青春18×2 君へと続く道』ロケーションはどうやって選んだ? 前田浩子プロデューサーに聞いた
――本作では『スラムダンク』以外にも、当時の日本の流行が色濃く反映されていますね。中でも映画『Love Letter』はかなり重要な役割を果たしています。 前田P:『Love Letter』は原作のブログにも出てきます。岩井俊二監督作品のプロデュースをしていた経緯もありますが、私の青春時代の思い出にも残る作品ですし、当時台湾ですごく人気が高かったと聞いています。台本でもジミーが「岩井俊二はみんな好きですから」と言っていますね。ジミーとアミが『Love Letter』を見るレトロな映画館も、ものすごく探しました。
――俳優たちの演技を見て、ロケ場所からパワーをもらっているなと感じることはありますか。 前田P:もちろんあります。私は只見に着く直前のジミーの横顔がとても美しいと思っています。電車を降りた途端にハアっと白いため息をつく瞬間がありますが、その冷たいパリッとした空気によってジミーになれた気がしたとグァンハンも言っていました。なのでアミの実家のシーンは、松重豊さん演じる中里に会うところから全て、只見で撮っています。 先ほどお話しした、清原さんが台湾に行ってだんだん綺麗になっていったというのも、同じだと思います。台湾の空気やちょっと解き放たれた南の雰囲気が、二人の10歳以上離れた実年齢の違いがわからなくなるほどの距離間に影響したのではないでしょうか。