猛暑や台風、農作物に打撃 野菜・米の価格高騰続く【宇部】
猛暑や大雨の異常気象に加え、先月末に日本列島を襲った台風10号の被害も重なり、全国的に野菜や米が品薄となり、価格も高騰している。 宇部市中央卸売市場の卸売業者、宇部大同青果(大島三晴社長)によると、8月の青果の入荷量は前年比97%、卸売価格は111%。電気代や加工食品など値上げラッシュが続く中、家計に追い打ちをかけている。 同社が扱う主要な野菜類で高値が目立つのが、ハクサイ(前年比125%)、キャベツ(同115%)、レタス(109%)などの葉物野菜。主要な産地の長野、群馬県では、春先から夏にかけて雨が多かったため、品質も収穫量も低下したという。 九州地方は9月も高温が続くとの予報で、ハクサイ、キャベツの植え付けを見合わせており、今後も高値は収まりそうにない。レタスは長崎、福岡県などで植え付けが進み、この先は価格も落ち着く見込みだ。 ハウス栽培が中心のトマト(同127%)、キュウリ(同111%)は、猛暑でハウス内の温度が50度まで上がり、葉が黄変する病気のまん延や、長時間の作業ができない事態となっている。 同社の綾基之専務は「高齢化で廃業する農家が増えて生産量そのものが減少している上、4月からは2024年問題による運転手不足で、市場への入荷が不定期になったことも価格の高騰に拍車を掛けている。そうした構造的な問題も大きい」と指摘した。 品薄状態が長く続いている米について、JA山口県宇部統括本部指導販売課の岡野由利仁課長は「管内では、例年なら9月上旬から新米の出荷が始まる。今年は稲刈りが始まる直前に台風10号による強風と大雨に見舞われたため、本格的に収穫が始まって新米が出回るのは中旬以降にずれ込む。それまでは需要と供給の綱渡りが続く」と話した。