金メダリストの“比較動画”の波紋広まる 東京五輪メダルと比べて顕著な劣化に海外紙も愕然「東京が驚くほど輝いた」【パリ五輪】
金メダリストの投稿した“比較動画”が話題となっている。 パリ五輪の閉会式が行われた現地時間8月11日、バドミントン男子シングルスで連覇を遂げたビクトル・アクセルセン(デンマーク)は、自身のXで「Tokyo vs.Paris」との文言を添えた映像を公開。3年前の東京五輪で受け取った金メダルと今大会の金メダルを比較した。 【動画】東京の金メダルはいまだ輝く? パリ五輪との比較動画をチェック わずか23秒の短い動画ではあった。しかし、違いは明確に見て取れる。 2つのメダルを並べたアクセルセンは、順番に表、裏とひっくり返して双方の違いを披露。東京五輪のメダルは3年が経過してもなお光沢を維持。ほとんど劣化は見られない。一方でパリ五輪の金メダルは授与から6日ながらすでに変色。キラキラとした輝きは見られず、くすんでしまっている状態だった。 690万回以上再生され、6万件を超える「いいね」と1万件を超えるリポストがあったアクセルセンの投稿は、あっという間にトレンド入り。日本でも小さくない話題を呼んだ。 保存方法は不透明なため一概には言えないものの、メダルの質の違いは明らかである。ゆえに各国メディアもトップアスリートの投稿を興味深く報じている。イタリアの日刊紙『Corriere della Sera』は「動画を見る限り、東京のメダルはパリのメダルよりも遥かに輝いている」と指摘。さらにバドミントン大国インドのニュースサイト『Republic World』は、「驚くべきコントラストだ」と強調し、こう続けている。 「アクセルセンはバドミントン界の最も優れたスターの一人で、その圧倒的な強さはとどまるところを知らない。そんな彼が公開した動画は驚くべきものだった。彼が東京で獲得した金メダルの方は、この夏に手にしたものよりも驚くほどに輝いていた。パリの金メダルの裏面は獲得からわずか1週間で、早くもヴィンテージのような見た目だった」 パリ造幣局が責任を担ったパリ五輪のメダルは金、銀、銅のすべてがメッキ。エッフェル塔が20世紀に入って修復工事を行った際に取り除かれ、倉庫で保管されていた鉄製の柱の一部の金属が使用され、金銀銅を合わせて約5000個が精巧に製造された。 しかし、アスリートからの“苦情”は目立つ。男子スケートボードのストリートで銅メダルを獲得したナイジャ・ヒューストン(米国)も自身のInstagramで「分かんないけど、オリンピックのメダルなんだからもう少し質を高めてほしいよね。まるで戦争に行って帰ってきたメダルのようだ」と酷評して波紋を呼んだ。 こうした問題に対してパリ五輪組織委員会は「メダルは、オリンピックで、最も欲せられるものであり、選手たちにとって最も貴重なものだ。損傷したメダルは、パリ造幣局によって必ず交換され、オリジナルと同じ方法で刻印される」と公表。パリ造幣局による鑑定という条件付きながら交換に応じる考えを明かしている。 もし、全メダルに品質問題があった場合に、それらすべての交換に応じるのは、おそらく困難となる。それだけに、大会委員会がいかに対処していくかは、興味深く見守りたいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]