“12年の片思い”堤聖也はなぜ井上拓真を攻略できたのか? トレーナーが伝えた「(穴口が)上から見ているぞ!」直後に奪ったダウン…激闘のウラ側
中谷潤人との統一戦も「断ることはない」
試合から2日後、都内で開かれた記者会見に顔を見せた新チャンピオンはこう胸を張った。 「自分のイメージとして、1ラウンド目から12ラウンド目のつもりで戦おうと最初に思って、そう戦わないとダメだと思って、すごくハードル高いと思うんですけど、それを体現できたと思います。すべてのラウンドを全力で戦いました」 記者会見に同席した石原トレーナーの表情も晴れやかだった。 「準備してきたことの半分くらいはハマったのかなという感じです。それでも拓真選手のディフェンス力はすごくて、帰りの車では堤と反省会をしていました」 バンタム級はWBA王者が交替したものの、依然として日本人選手が4団体王座を占める。中谷との統一戦を問われた堤は「スパーを何回もやっていて、けっこうやられている。勝率は限りなくゼロに近い」と前置きしながら、「(向こうが)やりたいと言うなら断ることはない。今回も勝てないと言われた試合を勝ちましたから」と雑草王者のプライドを見せた。 殊勲の新チャンピオンは折れないタフなハートと作戦遂行能力の高さが最大の持ち味だ。この先、待っているのは未知の強豪との防衛戦か、拓真とのリマッチか、あるいは中谷との統一戦か。この日の堤を見れば、たとえどんな強敵と拳を交えても、魂のこもった好ファイトを見せてくれると思わせた。
(「ボクシング拳坤一擲」渋谷淳 = 文)
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