【松戸競輪(ナイター)GⅡサマーナイトF】眞杉匠が出遅れ挽回のV、後半戦での反撃開始
松戸競輪で3日間にわたって戦われたGⅡ「令和6年能登半島地震復興支援競輪 第20回サマーナイトフェスティバル」(優勝賞金1570万円)は最終日の15日、最終12Rで決勝が行われ、眞杉匠(25)=栃木・113期・SS=が捲りで優勝を飾った。2着は眞杉マークの吉田拓矢、3着は終BS6番手から単騎で外を踏んだ新田祐大。眞杉は昨年のオールスターと競輪祭に続くビッグ3V目で、GⅡは初優勝。併催のFⅡ「ガールズケイリンフェスティバル2024」(同340万円)決勝は、尾方真生(25)=福岡・118期=が逃げ切りでビッグレース初制覇。今回で最後となる大会でニューヒロインとなった。3日間の総売上額は64億5986万400円と盛況だった(目標55億円)。 【賞金ランクトップ30 サマーナイトF制覇の眞杉匠が躍進】
■ヒーロー 今年の出遅れを得意の夏で挽回した。眞杉匠が初のGⅡ優勝。賞金ランクを11位までジャンプアップさせて、グランプリ争いに突入してきた。 レースは近畿2車と南関3車がもがき合う展開。眞杉は中団を確保して、「想定にない展開。この位置になった以上、そこを確保した」。南関の先頭の北井佑季が逃げて、近畿の脇本雄太が番手にはまったが、脇本が終HSで仕掛けた。「すごい掛かりだった。余裕はなかった」というものの、終BSでの古性優作の激しいブロックを乗り越えて捲り切った。「いいタイミングで行けた。古性さんのブロックが来ると思っていたので、外々を走った」。まだ25歳の若手が、瞬時に多くのことを判断し、結果につなげた。 「今年の前半戦は、正月から苦しかった」。初めてSSとなっての新年早々、練習中落車。それでも落ち込むことなく、「けがはつきもの。そこを対処していくのも選手。それを含めて成長できたと思う」と前を向いた。その結果がこのV。「新期にいいスタートが切れた。今後も自分のスタイルを崩さず、GⅠを優勝してグランプリを決めたい」と視線は3つめのGⅠタイトルへ向かっている。 群馬の小林泰正、埼玉の森田優弥とは府県を超えての練習仲間。「小林君が今年ビッグ決勝に2回乗って、自分は乗れていなかった。その悔しさをぶつけた」と、刺激し合っている。「みんなで高め合えている。(タイトルを)取りっこできる存在になりたい」。今年のGⅠ戦線で猛威を振るう関東勢の勢いは、ますます威力を増してきそうだ。(野口雅洋)