八村塁の協会批判問題、スポーツ庁・室伏長官が言及「大きな心で歩み寄って解決を」組織改革のバスケ協会には「逆戻りにならないように」
スポーツ庁の室伏広治長官が27日、都内で記者会見を開いた。バスケットボール男子日本代表のエースで米プロNBAレーカーズの八村塁(26)が、28年ロサンゼルス五輪に向けて続投が決まったトム・ホーバス監督と日本バスケットボール協会を批判している問題に言及。「ミスコミュニケーションだったり、(認識の)齟齬(そご)や溝ができてしまわないように、選手と協会が一体となってコーチや現場を含めて一体となって取り組む必要がある」と述べた。 【写真】パリ五輪前の韓国戦 溝ができてしまったかのようなホーバス監督と八村 問題の発端は今月13日。八村がNBAの試合後の記者会見で、日本協会の姿勢をビジネス優先とし、日本代表活動のあり方に苦言を呈した。これを受け、日本協会は20日に渡辺信治事務総長が取材対応し、八村の苦言について「ミスコミュニケーションがあった。重く受け止める」とした上で、ホーバス監督の続投には変更がない方針を示した。 日本協会の対応を受け、八村は23日に改めて「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくないし、そういう団体とはやりたくない。活動費がどこに使われているのか。僕からすれば、プレーヤーファーストではなく、自分たちの利益になることを先にやっている」と再度、日本協会を痛烈に批判。さらに、ホーバス監督についても「練習のやり方、ミーティングも世界レベルではないんじゃないか」と、指導者としての手腕や協会による監督選任過程も疑問視した。 室伏長官はこの問題についての質問に対し、「(日本バスケットボール)協会に関しては、東京五輪の前は(国内リーグ分裂騒動など)出場できるかできないかという協会の(ガバナンスの)問題があった。そこから東京五輪は女子で銀メダル。さらにはNBAプレーヤーが日本から出てきた。Bリーグも発展し、これだけ素晴らしい改革が行われているところで、また(体制が)逆戻りにならないように、協会がさらに大きく発展するために建設的にやっていく必要がある」と、近年の日本協会の組織改革を振り返った。 その上で、「選手もいろいろ言いたいことがあると思うが、(協会も)大きな心で、よくコミュニケーションを取って、歩み寄っていく姿勢が必要かなと思う。協会側も思うところがあるかもしれないが、さまざまな違いを乗り越えたり、これだけNBAで活躍されている最先端の選手も含めて一緒に(競技発展のために)取り組んでいく必要がある。(双方が)歩み寄って問題解決してほしい」と、早期決着へ期待。さらに、ホーバス氏については「素晴らしいコーチだと思うので、全てが円満にいくように取り組んでいただきたい」と付け加えた。