アストロズ黄金期の礎を築いたタイガースの指揮官が古巣に挑戦。ア・リーグ ワイルドカードシリーズ
MLBは現地10月1日(日本時間2日)から始めるワイルドカードシリーズで、遂にポストシーズンが幕を開ける。
アメリカンリーグはボルチモアで、第4シードのオリオールズと第5シードのロイヤルズが、ヒューストンで西地区王者で第3シードのアストロズと、シーズン終盤の猛追で第6シードに滑り込んだタイガースが激突する。
ワイルドカードシリーズは2戦先勝方式となっており、オリオールズvs.ロイヤルズの勝者は、ディビジョンシリーズでヤンキースと、アストロズvs.タイガースの勝者は同じくディビジョンシリーズでガーディアンズと対戦する。
目下、7年連続チャンピオンシップシリーズ進出中のアストロズと、10年ぶりのポストシーズン進出を果たしたタイガースのマッチアップは、今季のワイルドカードシリーズで最も興味深い組み合わせと言えるだろう。
何しろ、アストロズによる近年の黄金期の礎を、かつて監督として築いたAJ・ヒンチが、タイガースの監督として、ポストシーズンに古巣の本拠地ミニッツメイドパークを再訪するのである。
現在のアストロズはプレーオフの戦い方を知り尽くし、またその試合運びに長けているわけだが、そのアストロズ黄金時代を支えてきたホセ・アルトゥーベや、アレックス・ブレグマンを知り尽くしているのが、敵将のヒンチなのだ。
また、現在アストロズを率いるジョー・エスパーダ監督は、かつてヒンチ体制下でベンチコーチを務めており、現役時代から今に至るまで親しい友人であるという人間模様も、このシリーズを面白くしている。
そのエスパーダ監督での初年度となったアストロズは、レギュラーシーズン当初、7勝19敗と大きく出遅れるも、終わってみれば88勝を挙げ、ア・リーグ西地区を制覇。
前述のアルトゥーベとブレグマンは健在であり、ヨルダン・アルバレス、カイル・タッカー、ヤイナー・ディアスと、生産力の高い打者がラインナップに揃っており、守備職人であるマウリシオ・デュボンもシーズン終盤は打撃で存在感を高めるなど、打線の陣容はかなり充実している。