永野芽郁“雨”と山田裕貴“太陽”、甘酸っぱい思い出があるほどに切なくなる奇跡の代償<君が心をくれたから>
永野芽郁主演のドラマ「君が心をくれたから」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系) の第3話が1月22日に放送された。奇跡の代償の大きさを痛感する雨(永野)が、新たに大きな決断を。そのあまりの切なさが涙を誘った。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】高校時代、太陽(山田裕貴)の小指にそっと触れる雨(永野芽郁) ■雨は味覚に続いて嗅覚を失うことに 本作は、ノスタルジックな雰囲気の長崎を舞台に、主人公・逢原雨(永野)が、かつてただ一人心を通わせた忘れられない男性・朝野太陽(山田裕貴)と“過酷な奇跡”に立ち向かうファンタジーラブストーリー。脚本は、純愛小説の名手として若い世代に注目の作家・宇山佳佑氏によるオリジナルだ。 事故に遭った太陽の命を救うため、奇跡の代償として五感を失っていく雨。初めは味覚で、パティシエの夢が断たれた。そして次に失うのは匂いを感じる力、嗅覚と決まった。 「視覚とか聴覚とかだったらどうしようって思ってたんです」と少しだけ安堵する雨に、案内人の日下(斎藤工)は「嗅覚はただ匂いを感じるだけのものではありません。そこにはもっと大切な意味があります」と告げた。 第3話は、その“大切な意味”が丁寧に描かれていった。 ■嗅覚を失うことの大きさ 雨は、街中で擦れ違ったカップルが食べていたクレープの匂いから、高校時代の記憶がよみがえった。学校帰りの太陽と見た美しい夕焼けと太陽の制服についたクレープをからかった甘酸っぱい思い出。やがて雨は、それが嗅覚の持つ“大切な意味”なのだと気付く。 日下が同じ案内人で、雨をサポートする千秋(松本若菜)にヒントだと言ったのが「失われた時を求めて」。それを図らずも市役所勤めで、雨にバイトを紹介した司(白洲迅)が説明することとなった。マルセル・ブルーストの小説「失われた時を求めて」で登場する、ある特定の匂いを嗅ぐと過去の思い出がよみがえることを、作者の名前を取って“ブルースト効果”と呼ばれているのだという。 匂いには思い出が閉じ込められる。思い出の扉を開く鍵。それを雨は失ってしまうのだ。 ■太陽の告白に雨の決断、涙あふれるシーン 高校時代、長崎で行われるランタンフェスティバルの名物である恋ランタンに託した「好きな人の、最愛の人になれますように」。それがもしかしたらかなうかもしれないとウキウキしていた雨の思いは打ち砕かれてしまう。 味覚がなければ、おいしいご飯は作ってあげられない。これから声を聞くことも、口げんかすることも、同じ景色を見ることも、つないだ手の温度を感じることもできなくなってしまう。あらためて奇跡の代償の大きさを痛感する雨。 「そんな子と一緒にいても、太陽君はちっとも幸せじゃない」。 千秋に背中を押され、残された時間で“思い出”を作るべく太陽と会った雨。「君のことが大好きだ」と告白されてうれしそうにほほ笑んだ雨だったが、「ありがとう」の後に告げたのは「他にもっと好きな人がいる」だった。 告白を断ったことを「ただ欲しかっただけだから。好き…って言葉が」と千秋に語る雨。太陽との最後にして、「一生の思い出」なのだ。 雨は、恋ランタンに願いをもう一つ書いていた。「初恋の人と、いつか手をつなげますように」。高校時代には影で手がつながっているようにしてみたり、小指だけ触れてみたりしていたが、10年後に告白するときに太陽はギュッと手を握ってくれた。 2つの願いがかなって幸せ。でも、雨の頬には悲しみの涙が伝っていた。 高校時代の甘酸っぱい描写が差し込まれるほどに、雨の決断が切なさを増した。SNSには「切な過ぎてボロ泣き」「今回も涙腺崩壊」「奇跡が起きて幸せになって欲しいと切に願ってる」「永野芽郁ちゃんの演技泣ける」など反響が寄せられ、タイトルがトレンド入りした。 本話ではさらに、雨の祖母・雪乃(余貴美子)の病気発覚と、雨が五感をなくすつらさを司に打ち明ける展開も。雨と太陽にさらなる悲しみが迫る予感で、もらい泣きはまだまだ続きそうだ。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部