「引き角女子」として話題沸騰!ミス日本「海の日」有馬佳奈さんインタビュー
将棋を始めたきっかけは、藤井聡太竜王・名人と同じ
――もちろんケンブリッジ大学やドローンの話もすごいんですけどね(笑)。飯島流引き角戦法が将棋ファンに突き刺さりました。有名人の方のプロフィールに「趣味は将棋」というのはよくありますが、好きな戦法まで掲載したのは珍しいかなと思います。どういった経緯があったのでしょうか? 「インタビューを受ける前は飯島流引き角戦法について触れるつもりは本当にありませんでした。最後のほうで趣味の話になって、記者の方が将棋の得意戦法はなんですか?と聞いてくださって飯島流引き角戦法と答えました。体感としては、インタビューの中で航空宇宙の話が30分くらいで、将棋の話は1分くらいだったと思います。インタビューの直前にSLIM(スリム)が月面着陸したこともあって、その話がメインでした。だから将棋の話が掲載されるとも思わなかったですし、こんなすごい盛り上がりになるとは夢にも思いませんでした」 ――「飯島流引き角戦法」を引き出して、掲載してくださった記者の方に感謝です。では、ここからは将棋のお話を。まず、将棋を始めたきっかけを教えてください。 「もともと将棋盤が家にあって物心ついた時には覚えていたので、どのタイミングで覚えたのかわからないくらいです。使っていたのは公文の、駒に進む方向が書いてあるものでした」 ――スタディ将棋。藤井聡太竜王・名人と同じですね。 「本格的にやり始めたのは、将棋部に入ってからです。高1のとき同じクラスに将棋部の男子がいたんですが、テストの点数が私の方が高かったときに『テストでは負けるけど将棋では勝つから』と言うので将棋を指しました。そうしたら私が勝ってしまって、将棋部の部長が来て『将棋部に入らない?』と誘ってくれて、高校2年生の5月に入部しました」 ――飯島流引き角戦法にたどり着くまでの経緯を教えてください。 「もともと詰将棋より定跡を勉強する方が好きでした。詰将棋は部長からやれやれと言われていたんですけど、地下鉄飛車やエルモ囲いといった珍しい作戦を部員と指して『何それ、面白い』と盛り上がって楽しんでいました。 だから終盤力が全くなくて、定跡を覚えている序盤でリードして、ない終盤力でなんとかするという戦い方をしていました。 その中で、特に指していて楽しかった戦法が『地下鉄飛車』と『飯島流引き角戦法』だったのですが、地下鉄は楽しいんですけど全然勝てなくて(笑)。引き角戦法は相手が知らないと、本当に勝ててしまう戦法だったので、はまっていきました」 ――『堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法 Final』の本も買われてましたね。 「戦法自体はYouTubeで知っていて、何局か指したこともありました。その中で、本屋さんで対振り飛車の本を探しているときに目に止まったのがあの本でした。目次を見て振り飛車に対する指し方がたくさん載っていると思ったので購入しました」 ――鹿児島県代表として全国大会にも出たこともあるのですね。 「はい。でも決勝トーナメントまで行けたことはありません。全国大会は4局指して3回以上勝てば決勝トーナメントに進めるのですが、一度、負け、勝ち、勝ちときて、次の一局に勝てば決勝進出というところまで行ったことはあります。相居飛車の将棋がとにかく弱いので『振り飛車きてー』と祈っていたのですが、居飛車でこられて負けてしまいました」 ――振り飛車なら引き角があったんですけどね。 「その大会の一局目がすごい長手数の将棋で、初めて入玉してへとへとになったのを覚えています。大会の模様がNHKの将棋フォーカスで放映されたんですが、『入玉になる場面もありました』という感じで将棋の盤面が紹介されて、どこかで見たことのある局面だなと首をひねっていたら、自分の指した将棋でびっくりしました。その時はうれしくて周りにいっぱい自慢しました(笑)。 大会には女流棋士になられている野原未蘭さん、大島綾華さん、和田はなさん、宮澤紗希さん、礒谷真帆さん、さらに強豪の上田可奈子さんなどがいて、『すごい人たちに囲まれてるー』という緊張感がありました」