名門校で実績劣り…サッカー部は「強化指定ではない」 苦節経て頭角、流れ変えた“名電一筋”
サッカー部の周りには百戦錬磨の仲間たち…「本当にリスペクトしている」
先月も卓球部のインターハイ8連覇を祝う集まりが行われ、今後、サッカー部の選手権出場を祝う集まりも行われるという。部活ごとの垣根がなく、ともに上を目指すファミリーとしての風通しの良さがあるからこそ、サッカー部も周りに引き上げられるように力をつけつつも、結果を出すことに焦ったり、囚われたりすることなく、名電らしいサッカーをコツコツと積み上げることができた。 「県予選も準決勝の最大の山場を最高の形で突破できたからこそ、逆に決勝は精神的に難しくて、私も胃をキリキリさせていました。でも、決勝の前に今枝監督から『1位だったら1位の実力。2位だったら2位の実力。やるだけやって出た結果を受け止めるしかないんだから、やる前からいろいろ考えたって仕方がないよ。もちろん、その気持ちは分かるよ。俺もキリキリする時があるから。でもそっちに持っていかれないように切り替えてやっているから』という言葉を頂いて、凄く心が軽くなりました。冨田監督や北川監督をはじめ、いろいろな指導者の人たちも声をかけてくれて、強い心を持って決勝に臨むことができた。本当にファミリーだなと感じました」 サッカー部の周りには百戦錬磨の仲間たちがいる。それは年齢も競技も超える。チームのエースであるMF蒲地壮汰もこう口にする。 「野球部の選手たちはスポーツ科で、僕らサッカー部は普通科(今年から数人がスポーツ科に)なのでクラスは違うのですが、1年の時に校舎の同じ階だったので、交流がありました。野球部はオーラがあるのですが、彼らはいつもフランクに接してくれて、僕ら普通の部活の生徒が肩身の狭い思いをすることはありませんでした。選手権予選にはバレーボール部やチアリーティング部とともに応援に来てくれましたし、出場を決めてからは廊下とかで会うと『すごかったね』と言ってくれます。本当にリスペクトしているし、僕らも絶対に負けられない気持ちです」 選手権では過去2回で挙げられなかった全国初勝利が絶対目標となるが、チームとしてはベスト8という明確な目標を掲げている。 「周りの目線と意識の高さを感じれば感じるほど、目標も『これくらいでいいんじゃないか』となってはいけない。日常の貴重な時間をサッカーに注いでいるからこそ、上を本気で目指さないともったいない。全員でこの目標を本気で狙っていきます」(宮口監督) スポーツの名門・愛工大名電ここにあり。これまで多くの部活動が全国に示して来たことをサッカー部も示せるように。名電ファミリーが一体となって2度目の冬に臨む。
FOOTBALL ZONE編集部