<ドラマアカデミー賞>脚本賞は「アンメット」篠崎絵里子氏『杉咲(花)さんの演技を見て、ミヤビをリアルに捉えられました』
2024年4~6月放送ドラマを対象に開催した第120回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。脚本賞は、杉咲花主演「アンメット ある脳外科医の日記」(フジテレビ系)を手掛けた篠崎絵里子氏が受賞した。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】第120回ドラマアカデミー賞で杉咲花が主演女優賞を受賞 ■「アンメット」篠崎絵里子氏が脚本賞を受賞 同作は、子鹿ゆずる、大槻閑人による漫画を基に、“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公・川内ミヤビ(杉咲)が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマ。「原作者に感謝されるほど、原作をリスペクトした丁寧な脚本」「ミヤビの記憶にまつわる主題と、毎回の患者のエピソードのバランスが良かった」「登場人物全員のファンになれた」と脚本も高く評価された。 篠崎氏は受賞インタビューで「『アンメット』は3年前から原作漫画のドラマ化に向けて動き出しました。ドラマ化が決まってからは、キャストの杉咲花さん、若葉竜也さんとも台本に関して意見を出し合い、納得いくまで何度も改訂しました。だから、完成した台本はみんなで作ったものですね」と、ドラマづくりの裏側を明かした。 ■「杉咲さんの演技を見てミヤビをリアルに捉えられるように」 漫画を実写化するに当たっては原作者と直接対話する機会もあったと言い、「子鹿ゆずる先生にお会いしたとき、『光を当てれば影ができる。社会をくまなく照らす光を見つけたい』という作品に込めた思いをお聞きして、そのテーマは大切に描きたいと思いました」と振り返る。 難しかったのは“ミヤビの描き方”。「記憶障害のあるミヤビがどんな気持ちで毎朝起き、昨日の記憶がない状態で日記を読むのか。その状況に慣れてもまた翌日には戻るわけで、セリフも悩みました」と苦労もあったが、「杉咲さんの演技を見たとき、ミヤビとしてそこに生きている姿に強い説得力を感じて、ミヤビをリアルに捉えられるようになりました」と、杉咲の演技に光明を得たという。 その杉咲とも対話を重ねた。「杉咲さんとは“ミヤビを悲劇のヒロインとして描きたくない”という思いを共有していて、丁寧にセリフを構築していきました」と篠崎氏。さらに、「説明したり誘導したりするセリフも極力減らし、これまで書いてきたドラマに比べると、勇気が必要でしたが、言葉を手放して、見る人に委ねました。結果、視聴者の皆さんが受け止めて、深く考えてくださった。感想を読んでそういう手応えを感じ、うれしく思いました」と、視聴者からの反響を受け取っていたことを語っている。 ※篠崎絵里子氏の「崎」は正しくは「たつさき」