陸上ワールドユニバーシティゲームズ日本代表の中村彰太がスズキ入社…7日・西部選手権で社会人初陣
昨夏、陸上のワールドユニバーシティゲームズに日本代表として出場した中村彰太(22)=浜松工高出=が、4月に浜松を拠点とするスズキに入社した。高校時代にはU18日本選手権男子100メートルで優勝した県期待のスプリンター。スズキアスリートクラブ(AC)の一員として、7日にエコパで行われる西部選手権の男子100メートルで社会人デビューを果たす。 浜松生まれの若きスプリンターが、4月から新生活をスタートさせた。同市に拠点を置くスズキACの一員となったことに中村が、喜びを感じている。「陸上を始めた中学のころから憧れていたチーム。地元に貢献できる機会をもらえて誇らしい」。会社の看板を背負ってトラックを疾走する。 高校時代から主戦場は100メートルで自己ベストは10秒23。日本選手権の決勝進出こそないが、東洋大4年の昨夏には、中国・成都で行われたユニバーシティゲームズで日の丸を背負い、100メートルと400メートルリレーに出場した。昨年のインカレの400メートルリレーでは、三走で優勝に貢献している。 スズキ入社後も、練習は埼玉にある東洋大がメインとなる。「慣れた環境でやらせてもらえるのは何よりです」。ただ、2月からは大学の寮を出て一人暮らしを始めた。3月には沖縄、鹿児島で行った同大の合宿に参加し「かなり集中して練習はできた」と、手応えをつかんだ。 今季初陣となる西部選手権では「10秒3から10秒2の後半は出したい」と、想定タイムを掲げた。その後、翌週には世界リレー選手権(5月)の選考会となる出雲大会に出場。29日の織田記念、5月12日の木南記念を経て6月のパリ五輪選考会となる日本選手権に向かう予定だ。 社会人での目標は「日本代表入り」。現在の立ち位置で今年のパリ五輪を狙うのは、現実的には難しい。まず日本のトップ選手と互角に戦うため、年内に「10秒0台」の自己ベスト更新がテーマ。最大のターゲットは来年、東京で開催される世界陸上での日本代表入りだ。浜松から世界へ―。中村が「スズキ」のユニホームを着て、夢を追いかける。 (塩沢 武士) ◆中村 彰太(なかむら・しょうた) 2001年6月1日、浜松市生まれ、22歳。入野中から浜松工高を経て、東洋大へ進学。高3年の国体少年男子A100メートルで2位に入った。168センチ、60キロ。家族は両親と妹。
報知新聞社