米投資会社の業績連動報酬が大幅増-ディール活発化や報酬体系変更で
(ブルームバーグ): ディール活動の活発化と報酬体系の変更が重なり投資会社が従業員に支払う報酬が今年、大幅に増加している。
KKRは今年最初の9カ月間に、しばしば「キャリー」と呼ばれる実現利益に連動した報酬として8億4300万ドル(約1300億円)を同社の稼ぎ頭に分配した。これは、前年同期のほぼ2倍に相当する。カーライル・グループは約5億4200万ドルを支給。前年同期の2億8600万ドルから増やした。
KKRやアポロ・グローバル・マネジメント、カーライル、ブラックストーン、TPG、アレス・マネジメントの6社全体では、業績連動報酬は前年同期比で約33%増加している。
こうしたオルタナティブ資産運用会社は手数料関連収益、運用資産拡大に伴う収益拡大を報告している。さらに、低迷が続いていたディール市場が中央銀行による利下げで活気づき始めていると投資会社幹部らは話す。
その結果、各社はより多くの投資で出口戦略を開始。アポロは7-9月(第3四半期)決算で実現運用報酬が2021年以来の高水準に急上昇した理由として、主力のプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資ファンドで「いくつかの大型の現金化」、つまり売却を行ったことを挙げた。
ブルックフィールド・アセット・マネジメントのブルース・フラット最高経営責任者(CEO)とコナー・テスキー社長は第3四半期の投資家宛て書簡で、同四半期に戦略全体にわたって資産を売却したと説明。「現金化の活動が活発化しており、顧客への資本返還が始まり、業界全体でより建設的な資金調達環境が生じている」と述べた。
一方、KKRのロバート・ルーウィン最高財務責任者(CFO)は、第3四半期決算に関する電話会見で、新規株式公開(IPO)市場は上向くと予想。「資本市場の分野でやや活気のないのはIPO市場だが、今後数四半期で状況は変わるだろう。過去1年を振り返ると、規模の大きなIPOが4件あった」と述べた。