【小6生必見】中1ギャップに要注意 大切な春休みの学習のポイントは? 高校入試で気になる内申点の仕組みも聞いてみた
22日は愛媛県内のほとんどの公立小学校で卒業式があります。中学校入学が間近に迫り、喜びと不安が入り交じる時期ではないでしょうか。中学進学後に小学校生活との違いに戸惑う「中1ギャップ」に直面する人も少なくないといわれています。 「このギャップを防ぐために活用してほしいのが春休みです」。愛媛で30年以上にわたり塾講師を務める松山市の学習塾「WITH GROW」代表の日下部和子先生は力を込めます。春休みに取り組むべき学習や県立高校入試について教えてもらいました。(原田茜) ◆ギャップの理由は ー「中1ギャップ」はなぜ起きますか。 やはり環境が大きく変化することが要因です。小学校は1こまが45分授業で、大半の教科を担任の先生が教えていたのに対し、中学校では1こま50分、教科担任制へ移行します。定期テストも始まり、学内順位が発表されるように。また部活動がスタートして土日も練習や活動があるほか、複数の小学校区から生徒が集まる中学校では新たに人間関係を築く必要があります。子どもからすると、楽しみと不安が半々といったところだと思います。不安を少しでも取り除くことが大切になります。 ◆内申点って? ーどうすれば不安が解消されますか。 年間スケジュールなど一定の見通しが立つと準備ができますよね。入学後はすぐ、小学校までの学習内容で4教科の診断テストがあります。宿泊研修の後、6月に1学期末テストを受けるなど予定や行事を把握しておけば、自分が何をすべきかが見えてきます。高校に関しても国立、県立、私立それぞれの学校について、早めに知っておくといいでしょう。学内順位など各校の合格基準値の目安が分かれば、目標を定めることができます。 県立高校の入試では▽5教科の学力検査▽9教科の調査書点▽調査書の学習以外の記録や面接、実技テスト―の3項目の計500点満点で合否を判定します。調査書点はいわゆる内申点。中1~3年の9教科の成績が対象で、各学年45点満点の計135点満点です。評価には授業中の取り組みや態度、提出物も影響します。こういった知識が少しあるだけで、学習への意識が変わってくるでしょう。 ◆読み書き計算が基本 ーこの春休みは何をすればいいですか。 小学校の学習内容の復習がとても大事です。「読み書き計算」という言葉がある通り、大切なのは漢字と計算です。計算では小数の割り算が苦手な人がいますが、そのままにしておくと、中学校で新たに習う単元でつまずく可能性があります。難しい問題を解く必要はなく、教科書やドリルを解き直してください。 先取り学習については、可能であれば4~5月に習う単元まで頭に入れておけば、心に余裕が生まれ、中1ギャップの軽減にもつながります。例えば数学は「正の数と負の数」の計算ぐらいまでで、ユーチューブなどを活用するのも手です。 ◆スマホはルールを決めて ー家庭へのアドバイスを。 中学校入学を機にスマートフォンを使い始める生徒が多いのですが、購入時に「勉強中はスマホをリビングに置いておく」「午後10時以降は使用しない」といったルールを各家庭で決めましょう。便利なツールなので、どう付き合っていくかを子ども自身が学んでほしいです。 習い事など、学校以外の居場所をつくることが自信につながったり、ちょっとした変化に気付いてもらえたりするきっかけになります。春休み中は気分転換を図りながら入学準備をしっかりと進め、最良のスタートダッシュを切ってもらいたいです。
愛媛新聞社