「空き家」を放置せずに積極活用の方法を考えよう! どんな活用方法がある?
まず賃貸が可能かを調べる
とくに都市部の空き家の場合、そのまま放置せずに、他人に貸すことの検討をしてみましょう。相続人同士の合意など、すぐに売却という決断は結構困難かもしれません。 その際に考えるのが空き家を保持したまま貸す方法です。ポイントとなるのが、地域の家賃相場と貸すためにかかる費用の計算です。売却もしない、賃貸もしないで空き家を放置しておくメリットは、ほとんどありません。 相続した住宅の魅力が、他人の眼から見てどうかがかなり重要です。都市部に位置していることがかなりポイントになりますが、駅までの距離、スーパーやコンビニの存在、騒音などのない静穏な環境など、どの程度条件が良いかが問題になります。付近を知る不動産業者に出向き、実際の家賃相場を確認することが大切です。 次に必要なことは、現在の住宅をどの程度リフォームするかです。築年数が古い建物であれば改修費用は高くなります。高齢の親が住んでいた住宅を、若い世代に貸そうと思えば、それだけ改修費用は高くなります。ニーズとコストを見極め、収支計算の表をつくりましょう。 コストをかけて修繕しても、そのコストを回収するために20年もかかるようでしたら、要検討です。空室状態が続きそうだ、家賃を下げざるを得ない情勢になる、といったことでは、賃貸に踏み切れないかもしれません。
売却は大きな選択肢になるが
賃貸を検討したとしても、リフォームのためのコストがかかる、近隣に賃貸物件が多く空室になりそう、といった不安がある場合は、売却が大きな選択肢になります。 何も考えずに、「思い出の詰まった家だから」とか「相続人同士の合意が得られないから」といった理由で、空き家のまま放置しておくことが最も危険です。時間がたてばたつほど、行動を起こすことが面倒になってしまいます。空き家に対する行政の対応も今後厳しくなるため、決断は早くすべきです。 実際に売却できるのか、どのくらいの価格で売却できるかも大きな問題です。大都市の住宅地にある土地や集合住宅であれば、問題なく価格がつきます。建物付き土地よりも更地のほうが高く売れる場合は、建物の解体費用が発生しても、更地にして売却しましょう。 マンションなどの集合住宅の場合は、築年数にもよりますが、リフォームが必要になるかもしれません。多少手を加えることで売却できる場合は、売却を考えましょう。 人口減少社会が現実となり、今後不動産価格が上昇する可能性は、地域の特殊事情がないかぎり、非常に低いと考えられます。放置することで、売却の機会を失うことは避けるのが賢明です。 問題となるのは都市近郊や地方の土地付きの住宅です。農村の限界集落や都市近郊の交通の不便な地域の土地については、期待する価格での売却は、ほぼ不可能と考えるべきです。 都心に居住している方が相続した場合は、セカンドハウスとして利用できるかも検討しましょう。利用しないまま放置すると、固定資産税だけでなく各種の維持費用が発生します。もし公共用地として無償で行政に提供できれば、それでもよいと考えましょう。 執筆者:黒木達也 経済ジャーナリスト 監修:中嶋正廣 行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。
ファイナンシャルフィールド編集部