駒沢が熱狂、なでしこ「スフィーダ世田谷」がクラブ史上最多の入場者数
サッカー女子なでしこリーグ1部のスフィーダ世田谷(東京)が6月22日、主催試合の伊賀FC戦でクラブ史上最多となる入場者数3316人を記録した。6月の駒沢オリンピック公園総合運動場での主催2試合を「駒沢熱狂」シリーズと銘打ち宣伝してきた上、スポンサー企業などとの協同も奏功。試合に合わせて行われた多彩なイベントも動員数を押し上げた。 【写真】ブラインドサッカーを体験する町田市から訪れた男性 世田谷の名前を背負う同クラブだが、区内での試合数は少ない。主催試合は北区の味の素フィールド西が丘や、調布市のAGFフィールドでの開催が多く、駒沢オリンピック公園総合運動場での試合は年間数試合にとどまる。それでも、ゼネラルマネジャー(GM)の川辺健一さん(43)は「世田谷で試合をなかなかできていないのが実情だが、できると多くの動員になる」と話すなど、区内開催時の集客には自信を持つ。 そうした中で行われた先月の「駒沢熱狂」シリーズ。試合の魅力に加え、祭りの要素で誘客効果を上げた。 ■「ブラインド」体験も 目についたのはイベントの多様性だ。同クラブのブラインドサッカーチーム、「スフィーダ世田谷BFC」のブースでは、参加者がアイマスクを着けてボールを蹴ってピンを倒す、ブラインドサッカー体験が行われた。サッカー経験のある記者が体験させてもらい感じたのは、ボールが近づいてくる恐怖感だった。 ブラインドサッカーでは中に鈴の入ったボールが使用され、選手はその音で位置を把握する。実際にアイマスクを装着した状態でパスをもらうと、足元にボールが近づいてくるのが音でわかる。小さなボールが転がってくるだけのはずだが、視覚を使わずにボールを扱った経験がない記者は、「怖い」と思った。それでも、なんとかボールを止めて蹴り、ピンを倒すと、相当な達成感が味わえた。 ■団体、企業が盛り上げ 他にも、外国人の子供も楽しめる多言語での絵本の読み聞かせや、フェアトレード商品の販売店など、地域社会への貢献を理念に掲げるスフィーダ世田谷ならではのブースも見られた。フェアトレード商品の販売を行った昭和女子大2年の掛川祐希さん(19)は、「親子連れが多く、クッキーを販売していると小さい子が止まってくれる。フェアトレードの認知を高めたい」と笑顔で語った。 世田谷区を拠点に活動するよさこいチームがハーフタイムにパフォーマンスを披露したり、世田谷署がブースを出展するなど、地域の団体もシリーズを盛り上げた。