1話から見直したくてたまらない…全決メンバー同士の関係にときめいたワケ。ドラマ『全領域異常解決室』第7話考察レビュー
藤原竜也主演のドラマ『全領域異常解決室』が現在放送中。身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」という捜査機関が解決する本格ミステリードラマだ。今回は、第7話のレビューをお届け。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】1話から伏線だらけだった…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『全領域異常解決室』劇中カット一覧
小夢(広瀬アリス)の正体は全決の室長…!?
前回を越える情報量の多さだ。 今回は雨野小夢(広瀬アリス)の何者なのかが明らかにされた。 その正体は天宇受売命(アメノウズメノミコト)。芸能の神様として日本神話でも特に有名な神の1人だ。 さらには何と、全決の室長だったというから驚きだ。 ヒルコの捜査を進めるなかで、小夢は襲われ、命を落としかける。一命をとりとめたものの、「事度渡し」という能力を何者かから受けて、神としての記憶を失ってしまっていた。 全決内での人間(神?)関係も興味深い。 日本神話では結婚したともされる、アメノウズメノミコトとサルタヒコ。第6話で小夢が「あなたは今でも、私の夫なんですか?」と発言したことからも、芹田(迫田孝也)と小夢はこれまでに何度も夫婦であったことは予想できるところだが、実は豊玉妃花(福本莉子)と興玉(藤原竜也)がいい雰囲気だったときもあったのだとか。 一方で、小夢と興玉の絆はとても強固なもので、ヒルコから互いを守ろう、と話もしていた。いや、小夢はみんなに愛されていた。芹田はもちろん、豊玉とも親友のような関係だ。 そんな彼女が、記憶を失い、人間になった。それはつまり、今の人生を終えれば、もう彼らと出会うことはないということ。何百年も何千年も一緒に過ごしてきた芹田からすれば、受け入れがたい事実だ。想像もできない。きっと、半身をもがれたような痛みだろう。それはきっと全決のほかのメンバーだって遠からず同じ気持ちのはずだ。
1話から見直したい…!
人間となった小夢の扱いに対し、全決の面々は悩んだ。それは、神の集団である全決に”人間である”雨野小夢を迎え入れるということだ。 ここで1話を思い返すと、登場人物それぞれの表情が、複雑な意味を帯びてくる。物心がついたころには神である記憶を取り戻しているわけだから、出会った時点で、お互いが誰なのかすぐに分かる、のが当たり前だったはずだ。 芹田にとって、小夢に自分が誰だか分かってもらえない、という状況は、きっと初めての体験のはず…。実は神で、何度も出会って結婚して、そんな永遠のパートナーが突然奪われるという展開に不謹慎ながらもときめいてしまった。 そう考えるとこれまでの、全決メンバーのいろんな行動に説明がつく。これはもう一度、1話から見直さないといけないやつでは!? こうなってくると、神隠しが単に命を奪うことに対してだけでなく、残された側の心に対しても重い仕打ちであると分かる。髪を減らし、世の中の均衡を崩すだけではなく、紡いできた縁を突然奪うということは、あまりにも非道なことに思える。