日銀「株価下落」と「イラン攻撃」に打つ手なし…!植田総裁はつぎの一手を示せるか?日銀「4・26会合」に備えよ!
次の会合で要注目!「展望レポート」
本稿では、4月25、26日に開催される金融政策決定会合について、現在の物価情勢、為替状況などを踏まえ注目点などを取り上げる。 【一挙公開】日本株大混戦の今が買い…!「大乱調相場」を生き残る「珠玉の9銘柄」! 前編「植田・日銀「イラン危機」で早くも正念場へ…! 「決定会合前」に整理する金融政策転換の「歴史的‟茶番劇”」と円安進展の「不都合な真実」」では、前回、3月18、19日の金融政策決定会合について触れた。 日銀は、金融政策を変更し、「金融政策の枠組み見直し」と言ってはいるものの、実態は「緩和は続行中」である。 そのため、ドル円の為替相場は、154円台まで円安が進んだ。 4月の会合は、日銀が言うところの「金融政策変更後」の初会合となる。そこで、同時に公表されるのが4月の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)だ。 展望レポートで、どのような景気と物価判断が行われるのかが要注意と言えるだろう。
不安要素が満載の「賃金と物価の好循環」
展望レポートでは、高い確率で物価安定目標の見通しについて前回1月の展望レポートより強い表現が示されるだろう。 1月は「消費者物価の基調的な上昇率は、『物価安定の目標』に向けて徐々に高まっていくとみられる」という弱い表現だった。 3月の決定会合では、これが「見通せる状況に至った」から金融政策を変更したわけなので、4月の展望レポートも3月の決定会合に準じた表現となるだろう。 展望レポートが、金融政策の変更を決めた時の理由よりも弱い表現になれば、日銀が示した「賃金と物価の好循環」という見通しが脆弱なものと受け止められるからだ。 たとえば、「賃金と物価の好循環が確認され、先行き、見通し期間終盤にかけて、『物価安定の目標』は持続的・安定的に実現していく」というような強い表現となるだろう。 もっとも、実際の「賃金と物価の好循環」は相当に危うい。 金融政策の変更へと日銀の背中を押したのは、連合の春闘第1回集計で、主要企業の賃上げ率が5%を上回り、32年ぶりの高水準となったことだったが、連合の集計はあくまでも主要企業であり、それも従業員組合のある企業を対象としている。 さらに、管理職など非組合員はカバーされていない。なによりも、中小・中堅企業の賃上げ状況は含まれていないのである。 厚生労働省の2月の毎月勤労統計調査では、実質賃金の前年同月比マイナスは23ヵ月連続だ。一方で、総務省の2月消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は前年同月比30ヵ月連続の上昇となっている。 物価にしても消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は前年同月比で2%台の上昇を維持してはいるものの、すでに商品の値上げはピークを過ぎ、指数は低下傾向にある。指数の低下を支えているのは、サービス価格の上昇と円安進行による輸入物価の上昇だ。 だが、サービス価格の上昇は、インバウンド需要の急増に伴う宿泊料の大幅値上げが主因で、それ以外の一般サービスでの上昇ではない。 一方、円安は進行中だ。 米国の消費者物価指数が高止まりするなどで、米国の利下げが見送られている公算だ。そこに、日銀が「当面、緩和的な金融環境が継続する」という見通しを示したことで、市場は「日米金利差の縮小は遠退いた」と受け止めた。 消費者物価指数が2%を下回らないように一役買っているのは、円安による輸入物価の上昇だ。日銀が言うように「賃金と物価の好循環が見通せる状況」なのだろうか。
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