島口ミュージカル盛況 徳之島「結シアター手舞」 児童生徒が西郷と琉の物語を熱演
鹿児島県徳之島の小・中・高校生でつくる劇団「結シアター手舞」(前田美香登会長)の島口(方言)ミュージカル「結~MUSUBI~」が21~22日、天城町防災センターで上演された。2015年から続く舞台は今年で10年目。22日正午の公演には317人が来場し、出演者57人の迫真の演技と本格的な舞台演出に魅了された。 物語は西郷隆盛が遠島によって暮らした徳之島が舞台。滞在中に西郷の世話役を務めた徳之島の青年・琉仲祐(りゅう・なかゆう)と西郷を中心に場面が展開し、方言・島唄・闘牛などの要素が盛り込まれたご当地ミュージカルとなっている。 随所に「才能や知性だけではなく真心がないと世の中は治められない」「島の良さを見つけて伸ばすことが大事」という西郷の教えが登場。また島民役が「とぅりてぃ、とぅりてぃ(疲れた、疲れた)」と方言を話すたびに会場から笑いがあふれた。 琉役を演じた梅園侑真さん(16)=樟南第二高2年=は「島暮らしに葛藤する琉と自分の共通点を感じながら役を演じた。劇中の西郷の言葉に自分自身も影響受けた」と語り、西郷役の前田明誠さん(17)=同3年=は「西郷のように心を広くもち、周囲を気遣う大切さを学んだ」と話した。 前田会長は「最初はみんなシャイな子たちばかり。ミュージカルを通して一人ひとりが成長している。今後も皆の居場所になるよう頑張っていきたい」と話した。