【注目チーム】名門復活の兆しも、悲願のタイトル奪還に手は届くのか…F1草創期から参戦を続けるイタリアの“跳ね馬”|フェラーリ|F1
2021年は未勝利も、復活の兆しを見せる
コロナ禍の2020年はコンストラクターズ総合6位と沈んだ名門フェラーリだったが、2021年はチャールズ・ルクレール、カルロス・サインツともに2強に次ぐ速さを示し、序盤戦からポイントを稼いでいく。 ルクレールはモナコGP、アゼルバイジャンGPで2戦連続ポールポジションを獲得するなど、一発の速さという点で存在感を示した。一方で新加入のサインツもフェラーリで初年度から順応性の早さ、安定して上位フィニッシュする堅実さを見せ、モナコGPでは2位表彰台に上がった。 チーム2人そろって安定してポイントを手にし、最終第22戦アブダビGPではサインツが3位表彰台。ルクレールが10位入賞という結果となった。これでドライバーズランキングでサインツが7位から5位に浮上。ルクレールは5位から7位に転落してシーズンを終える結果となった。 なお、2021年の表彰台(3位以上)に上がった回数はサインツが4回、ルクレールが1回のみという結果になっている。
2022年はタイトル争いに参加
車両規定の変わった2022年、フェラーリは前年の早々から次シーズンに向けた開発を重ねたこともあり、開幕戦バーレーンGPでは1-2フィニッシュを果たす最高の滑り出しを見せた。 第3戦までに2勝を飾ったルクレールにとっても、ワールドチャンピオン奪取を予感させる流れとなったが、そこから盛り返したレッドブルがシーズンを通じて安定した強さを披露したこともあり、フェラーリはタイトルレースで遅れを取った。そして第17戦日本GPではフェルスタッペンの連覇が確定している。 結果としてレッドブルに差をつけられたものの、フェラーリは2022年において22レース中12戦でポールポジションを獲得するなど、一発の速さはトップであることを示した。そしてルクレール3勝、サインツ1勝と十分な勝利数ではなかったが、存在感を示した1年になったことは確かだ。
2023年はレッドブル以外唯一の勝利も、総合3位
チーム代表のマッティア・ビノットが2022年限りで離脱し、2023年からはフレデリック・バスールが新代表に就任。 フェラーリは同年も打倒レッドブルを目指して戦うも、ライバルとのポテンシャルは前年以上に大きく差が開く結果となった。結局2023年は22戦中21レースをレッドブルが制し、唯一レッドブルにストップをかけたのはシンガポールGPのサインツ。僚友ルクレールは未勝利に終わる結果となった。 レッドブル以外で唯一勝利したフェラーリ。だがポイント争いでは年間未勝利のメルセデスに先行を許し、総合3位でシーズンを終えた。予選ではルクレールがPP5回、サインツがPP2回と相変わらず一発の速さを見せたものの、決勝では取りこぼしの多さが響いた形に。 2024年に入り、フェラーリは早くも2025年に向けた大きな立ち回りを見せる。まず、1月25日にルクレールが複数年契約の延長にサインしたと公表。するとその数日後、ルイス・ハミルトンが同年限りでメルセデスから離脱し、2025年からフェラーリに加わるという電撃移籍が発表された。 これでルクレール&ハミルトンのセットは少なくとも2025年、2026年の2シーズンは確定となる見通し。その一方でサインツはハミルトンに弾かれる形で、2024年限りでチームを離れるということも明らかになっている。 2024年は年間を通して安定した強さを示し、フェラーリの悲願であるタイトル奪還を実現できるのかが注目ポイントとなるが、すでに退団の決まっているサインツが、フェラーリ在籍最終年で存在感を示すことができるのかという点も見どころだ。