本の厚みに調整できる「ブックカバー」の作り方。ラミネート生地の1枚仕立てで簡単に【大人のお裁縫レッスン#18】
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子どもの入園・入学などで活躍したミシン、使っていますか? せっかくなら、身近なアイテムをハンドメイドしたり、ちょっとしたお直しができるようになったら素敵ですよね。そこで、連載動画「大人のお裁縫レッスン」開講です! 【画像14枚】栞ひも付き「ブックカバー」の作り方。厚さ約1.3cm~1.8cm(およそ300頁~500頁くらい)の文庫本にフィットします! 今回は「ブックカバー」を手作り。裏表紙側にゴムを付け、本の厚さに調整できる汎用性の高い仕様に仕上げていきます。裁縫教室の講師を務める“たま先生”こと、常田玲美さんに、手順やワンポイントをレクチャーしてもらいました。
栞ひも付き!自分好みのブックカバーを手作り
今回はラミネート加工された生地をセレクトしました。防水性に優れていて汚れにくく、適度な張りもあるので、内布いらずで仕上げることができます。 動画では文庫本サイズのブックカバーの作り方を紹介していますが、記事では文芸書などの単行本用のサイズも併記していますので、ぜひ参考にしてください。 ⚫︎ブックカバー(栞ひも付き/厚さ約1.3cm~1.8cmの文庫本に対応) (仕上がりサイズ)約 縦17.4cm×横30.9cm 【材料】 ・布 縦19cm×横38cm ★の部分(2.5cm×6.5cm)はカットしておく ・ひも(長さ25cm) ・ゴム(長さ17.5cm) ※単行本サイズの場合 ・布 縦23cm×横46.5cm ★の部分(2cm×8cm)はカットしておく ・ひも(長さ30cm) ・ゴム(長さ21.5cm) 【道具】 ・定規 ・印付け用ペン ・ヘラ ・糸切りバサミ ・目打ち ・クリップ ・テフロン押さえ ※お持ちでない場合は、通常の押さえにマスキングテープを貼ったもので対応を。
(1)布端を折る 布を裏返し、短辺の端から8mm位置にヘラで折り目をつけ、内側に向かって折ります。 反対の短辺も同様に折ったら、長辺を同様に折り、最後に斜めの辺を折ります。 「ラミネート加工された生地は、ほつれにくいため端の処理が不要。ここは三つ折りではなく、1回折るだけでOKなんですよ。ただし、熱でラミネートが溶けてしまう恐れがあるのでアイロンがけは避けた方が良いでしょう。その代わりとなるよう、折り目はしっかりつけていきましょう。斜めの辺は最後に折って、一番上にくるよう重ねると、見た目がきれいです」(以下「」内、たま先生) (2)「そで」をつくる 本の表紙を差し込むための「そで」を整えます。 斜めにカットしていない方の辺(以下、布端A/イラスト参照)の折り山から5mm位置を縫っていきます。 布端Aと反対の辺も同様に処理します。 まず、布の表側、布端Aから5.5cm(単行本の場合は7.5cm)位置の上下2カ所に、ペンで印をつけます。 印をつけた部分を、糸切りバサミで3mmほどカットします。切り込み同士を目印にして、中表で折り、上下をクリップで留めます。 「この切り込みのことを、お裁縫用語で『ノッチ』といいます。ノッチを目印に布を折ることができるので、印付け用ペンなどで線を引きたくないような場面で役立ちますよ。くれぐれも、深く切り込みすぎないよう注意してくださいね」 重ね合わせた部分の、折り山(上記写真内イラストの赤点線)を縫い合わせます。 布を裏返し、縫い合わせた部分の縫い代を内側に倒します。 「このひと手間で、布を表に返したときに角が浮いてしまうのを防ぎ、見た目もきれいに仕上がります」 親指と人差し指で角をしっかり挟みながら、布を表に返します。もうひとつの角も同様に表に返したら、目打ちなどを使って、角をきれいに出しておきます。 (3)ひもとゴムをつける ほつれ止めのため、ひもの片端を1回か2回折り込んで、ミシンで縫っておきます。 「折り込む回数は、ひもの厚さで調整してください。ひもが化繊素材の場合は、火で炙り、溶かし固めてもOKです(くれぐれも火の扱いにはご注意を!)。そのほか、ネイル用のトップコートや、ほつれ止め用ののりなどを使うという手もありますよ」 袋状にしたそで端から11.5cm(単行本の場合は14cm)位置に、ペンで印をつけます(上辺のみ)。その印がひもの中心にくるよう挟み、クリップで留めます。 次に、布端Aの反対の辺の端から9cm(単行本の場合は14cm)位置にペンで印をつけ(こちらは上下2カ所)、こちらもゴムの中心に印がくるよう挟みながら、クリップ留めします。 クリップを外しながら、斜めの辺と長辺の、折り山から5mm位置を一気に縫っていきます。 「布が重なり合う部分や、ひも・ゴムを挟んでいるところを縫う際は、目打ちで布を押さえながら縫っていくと縫いズレしにくくなりますよ!」 上下辺を縫いあげたら、できあがり! ラミネート生地のブックカバーを持ってみると、手になじみやすい! 布製だとそでの部分にやや厚みが出ることもありますが、1枚仕立てなので持った感じもスマートです。 多少の汚れにも強いので、持ち運んでガシガシ使えるのも◎。 今回制作したのは、厚さ約1.3cm~1.8cm(およそ300頁~500頁くらい)の文庫本にフィットします。もし、これよりも薄い本にかけたい場合は、ゴムを位置を3cmほど中心寄りにずらしてつけるとよさそうです。 直線縫いだけで作れちゃうので、子どものお裁縫手習いにもぴったり。 傷や汚れから本を守ってくれるだけでなく、外での読書シーンでは、本のタイトルや図書館のラベルなどの目隠しにもなるブックカバー。気分があがる自分好みの1枚があると、読書も捗りそうですね! 構成/kufura編集部
常田玲美(たま先生)
洋裁講師。 文化女子大学(現・文化学園大学)服装学部服装造形学科を卒業後、伊勢丹新宿店にて、紳士服のお直しの仕事に携わる。自身主宰の裁縫教室での講師のほか、ミシンメーカーでのワークショップの開催、出版物へのレシピ提供などで活躍中。現在は、毎月大人・子ども合わせて約40名以上の生徒をレッスン中。 『裁縫の楽しさを一人でも多くの人に』を目標に、Instagram(@nuinui.tamama)などで生徒作品や裁縫のちょっとしたテクニックを発信中。
常田玲美(たま先生)