【レバー焼き&からあげ&チキンカツ】新鮮朝採れレバー焼きを豪快にほおばる「至福の阿佐ヶ谷丼」:パリッコ『今週のハマりメシ』第124回
丼といいつつ、おかずが多すぎて乗りきらないのだろう、巨大な平皿が迫力満点。全体に平たくごはんが敷いてあって、その上にたっぷりのレバー焼き、巨大なからあげ、チキンカツ、温玉。加えて、たっぷりの千切りキャベツとキャベツの浅漬け。ラーメン以外の全メニューにつくというタルタルソースに、熱々のみそ汁まで。なんと幸せな光景だろうか。まずは千切りキャベツにドレッシングをかけ、バリバリとほおばってチューハイをごくり。はいもう幸せ。 朝採れが謳われるレバーはひと口食べたらわかる新鮮さで、くさみなどまったくなくて甘い。厚切りでぷりぷり、とろりとしていて、醤油ベースのたれで焼かれた香ばしさもたまらない。しゃきしゃきの玉ねぎとにらのサポートもばっちりだな。あわてて白メシをほおばりもぐもぐもぐと噛みしめると、心身にエネルギーが注入されていくのが実感されるようだ。 そして何気なくすするみそ汁。これが、だしの香りしっかりで、意表をつかれてびっくりしてしまうくらいうまい! 具はわかめ。いい。 続いて、からあげとチキンカツがちょんと触れあっている部分めがけ、タルタルソースを思いっきりかけちゃう。これは......すごいな。正義すぎて笑う。衣カリカリ、肉ジューシーなからあげと、薄めでクリスピーな食感のチキンカツ。鶏肉という素材は同じなのに、両者譲らない美味しさと個性。完全降伏。完全幸福。 そして、ほんの少し扱いに迷い、手をつけずにいた温玉。これを終盤、思い切って崩してみる。 かなりレアな仕上がりゆえ、一転、たまごかけごはん風になる白米。そのとろとろ感と焼きレバーという、ありそうでなかった組み合わせが、意外性もありつつ、超ありだ。 スピーディーに定食を平らげて帰ってゆく勤め人らしき人、にこにこ顔でオムライスと瓶ビールを味わうおじさん、そろってラーメンの替え玉を頼む若者ふたり組。共通しているのは、帰るときの顔がみな一様に満足そうだということ。やっぱりいい店だったな、阿佐ヶ谷ダイニングキッチン。 ところで、帰宅後になんとなくWEBで検索してみたところ、ここ、近年リニューアルにともなって店名も変わったんだそうで、旧店名は「キッチン男の晩ごはん」だったのだとか。現在のあっさりとした店名は、なかなかに我の強い旧店名からの反動なのだろうか......。再訪の際には聞いてみたい。 取材・文・撮影/パリッコ
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