【菅平練習試合】天理大が早稲田大に勝利。10トライで圧倒。
長野県上田市菅平高原で夏合宿中の早稲田大学と天理大学が、8月25日にアンダーアーマー菅平サニアパークDグラウンドで練習試合をおこない、64-35で天理大学が勝利した。関西春季トーナメント4位の天理が、夏の菅平で調子を上げてきた。 昨季、関東大学対抗戦Aグループ3位で大学選手権ベスト8の早大と、関西大学ラグビーAリーグ2位で大学選手権ベスト4の天理の一戦。 試合開始直後の前半2分、早大がNO8粟飯原謙のトライとSO野中健吾のコンバージョンで7点を先取した。その後、11分の左サイドを押し込んだモールからパスを受けたWTB藤原竜之丞のトライとSO筒口允之のコンバージョンで天理が同点に追いついた。この得点を皮切りに、天理が4本連続でトライとゴールを奪い、スコアを35まで伸ばした。ロスタイムの42分に早大のWTB鈴木寛大が右サイドを破ったトライとゴールで7点を返したが、35-14の天理リードで前半が終了。 巻き返しを図る早大は後半4分、17分にトライとゴールを決めてビハインドを7点まで縮めた。しかし29分に左サイドをゴールライン前まで攻める天理に対し、早大がインテンショナルノックオンの反則を犯したことでペナルティトライを献上する。 ここから流れが天理に移り、WTB平松麟太郎の右サイドをブレイクした2本を含む3トライと1ゴールで17点を追加した。早大は45分にSH宮尾昌典のトライとゴールで7点を返すも、直後に天理がWTB宇山大成のトライで突き放し、最終スコア64-35で勝利した。 天理は夏の菅平で、8月21日に帝京に21-48で敗れたものの、この日の勝利を含めて好成績を収めている。小松節夫監督は試合後に「スクラム、セットプレーが安定して天理の良いところが出てきましたね」と上昇の手応えを語った。 秋シーズンでもFWがフィジカルで優位に立つとBKの良さが出る、天理のスタイルが見られることを感じさせた。 一方、8月18日は帝京に38-14で勝利したが、この日大敗を喫した早大。SO野中健吾は「自分たちのコミュニケーション、集中力が足りず、少しのミスが積み重なった結果、相手に流れを渡してしまった」と敗因を分析した。 敗戦を受け止めつつも、今夏の合宿を含めた1年間で判断能力が成長したと自覚する。「相手のスペースを見るところ、自分たちのチームを動かすゲームメイクで大きく成長したと感じます」。 鍛錬と成長の場である夏の菅平を経て、早大は9月14日に関東大学対抗戦Aグループ、天理は9月22日に関西大学ラグビーAリーグの初戦を迎える。