祈る無事、悲痛な叫び 白煙や焦げた臭い
能登半島地震では、震度7を記録した石川県を中心に大きな被害が出た。壊れた住宅の捜索を見守る姿がみられ、身近な人を失った悲痛な叫びが響いた。住民らの避難も続く。 【動画】広範囲に揺れ、倒壊や火災 石川で震度7、死者48人
輪島市中心部では、ビルが倒壊し、近くの建物を押しつぶした。その建物から見つかった人が畳に横たえられ、毛布がかけられた。2人がかりで畳を運ぶ。「誰も助けられなかった」。傍らで男性が叫んだ。 観光名所「輪島朝市」周辺で発生した火災は消火活動が難航したとみられ、約200棟を焼いた。現場では2日も白煙が上がり、焦げた臭いが漂っていた。焼け跡に立っていた男性が、知人とみられる人から「何か手伝うことはあるか」と声をかけられ、「この通り、何もなくなっちゃった」と力なく答えた。 能登半島では各地で道路が寸断され、自治体は被害の全体像を把握できていない。珠洲市や能登町では津波で壊れたとみられる建物も。珠洲市役所では女性職員が「被害が大き過ぎて、まとめきれない」と憔悴した様子だった。断水や停電が起き、志賀町役場では水の配布に住民が長蛇の列を作った。