バイデン氏、候補辞退への圧力一気に強まる-再選断念を検討とNYT
(ブルームバーグ): 11月の米大統領選で再選を目指すバイデン大統領に対し、候補辞退を求める圧力が一気に強まっている。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、近日中に世論を動かせられなければ断念せざるを得ないかもしれないとバイデン氏が側近に漏らしたと報じた。民主党内からの撤退要求の動きも背景にある。
ホワイトハウスとバイデン陣営は直ちにこの報道の内容を否定した。しかしトランプ前大統領のホワイトハウス返り咲きを阻止する上でバイデン氏に十分な求心力があるのかという不安は民主党当局者や献金者、有権者の間で強まっており、バイデン氏にとって待ったなしの展開となっている。
民主党幹部によれば、数十人の同党下院議員がバイデン氏に大統領選からの撤退を求める書簡への署名を検討している。また民主党議員が代わりの候補を探している可能性を示唆する報道も相次ぎ、バイデン氏を巡る不安は高まるばかりだ。
NYTによれば、バイデン氏は今後のイベントがうまく行かなければ選挙戦は「異なる状況」になると側近に語った。この報道を受けホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は自分はバイデン氏のそのような発言を聞いていないとし、大統領選からの撤退をバイデン氏は検討していないと述べた。
バイデン氏自身もハリス副大統領とともに臨んだ電話会議で、「この選挙戦を最後まで闘い抜く。民主党が団結すればわれわれは常に勝利する」と語った。
バイデン氏は5日にABCニュースのインタビューに応じ、ウィスコンシン州マディソンで集会を開く予定。7日にはペンシルベニア州フィラデルフィアに移動し、別のイベントに参加する。
バイデン氏はこのほか、シューマー上院院内総務やジェフリーズ下院院内総務ら民主党指導部に電話をかけ、議会での支持固めを図っている。現時点では、現役の民主党下院議員としてロイド・ドゲット氏だけがバイデン氏撤退を公に求めている。
しかし、バイデン氏の不人気が自身の再選や民主党の上下両院での多数派獲得を遠ざけるのではないかと懸念する同党議員が連携して撤退を求めれば、バイデン氏は選挙戦を続けられなくなる可能性がある。