100年フードに鮒甘露煮 「伝統部門」で初認定 茨城・古河
茨城県古河市の名産品・鮒(ふな)甘露煮が文化庁主催の2023年度「100年フード」に認定された。県内食品の認定は4件目で、「伝統部門~江戸時代から続く郷土の料理」では初。19日に市役所で開かれた認定披露式で、鮒甘露煮組合長の野村則之さん(52)は「100年フードの名に恥じないよう、次の100年に向けて甘露煮を広めていきたい」と意気込みを語った。 【写真特集】あなたの住む場所のご当地グルメは? 100年フードは、世代を超えて地域で受け継がれてきた食文化の継承を目的に、文化庁が21年度から自治体や民間団体などから公募。伝統・近代・未来の3部門で、23年度は50件、3年間で250件が認定された。今回は組合からの依頼で市が応募し認定された。 県内では、ほしいも(ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会)と牛久ワイン(ワイン文化日本遺産協議会)が近代部門に、笠間の栗菓子文化(笠間市)が未来部門に21、22年度に認定されている。 古河は江戸時代に日光街道の宿場町として栄え、現在の渡良瀬遊水地にあった池や沼などで捕れた鮒を加工して旅人をもてなしたのが甘露煮の起源とされる。一度素焼きにしてから煮詰める伝統的な製法で、骨まで柔らかいのが特徴だ。 組合は00年に地元の6店で設立し、現在は4店が加盟している。加盟店は文化庁認定のロゴマークを包装紙などに使用するほか、100歳を迎えた市民に甘露煮を贈呈するなどPRを検討している。 針谷力市長は披露式で「100年という歳月が紡ぎ出した文化を次世代に継承してほしい。市としても伝統ある食文化を守り発展させていきたい」と話した。【堀井泰孝】