「日本オープン」で153万円余り加算 池田勇太はシード復帰まであといくら?
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 13(最終日)◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉)◇7251yd(パー70)◇晴れ(観衆6382人) 【画像】今平周吾が吠えた! 「いまの若い選手は知らないんですよ。もっと“長いとき”を」。後輩選手が口をそろえて「経験した中で一番すごい」という20センチほどのラフも、2014、17年チャンピオンの池田勇太に言わせればそこまで大げさなものではないようだ。 「フェアウェイに打って、グリーンに打って、パターが入ればラッキー」。そんな淡々と臨んだ “リハビリ”の中でのナショナルオープンで、通算12オーバー25位なら悪くない。今季2番目に多い賞金額となる153万3000円を加算して、総額は761万3700円。賞金ランキングを73位から70位に上げ、例年実績でシード獲得ラインと目される1250万円との差を縮めた。 QT(予選会)ランキングのカテゴリーで出場する今季は、今後に向けた準備期間と割り切っている。「いい成績を収めるより、ちゃんとゴルフができるようになるのが一番」。昨年は顎(がく)関節の痛みを原因とした体調不良で成績を残せず、賞金ランク69位でシードを逃し、今季は2007年以来のQTに臨んで出場している。 本大会には『過去10年間の優勝者』の資格でエントリー。今季は推薦枠などを使いながら10試合に出場し、来季シードが得られる上位65人のライン到達まで、あと約490万円に迫った。今シーズンは今季優勝者らが出場できる最終戦「日本シリーズJTカップ」を除けばあと3試合。池田は「推薦を頂けるようであれば、お願いしたい」と主催者推薦枠での出場を目指す。
「年も取ったから、新しい自分を作るためにやっている」と言う完全復帰の目安にするのは2年後の40歳。今季はQTに行かずとも「生涯獲得賞金上位25人」の資格でフルシーズン出場できたが、シード落ちから一度しか使えない資格(賞金シードを獲得すれば再使用が可能)を準備期間に行うのはもったいない。 年下の選手に交じって臨んだ16年ぶり3度目のファイナルQTは、2003年に自身が初挑戦した当時と同じ、18歳前後の選手もフィールドにいた。「昔はもっと殺伐としていたけど、いまの若い選手は、やさしいね」。再起を図るツアー通算21勝は、不敵に笑った。(埼玉県狭山市/谷口愛純)