ソニー、カドカワ株式の追加取得完了で筆頭株主に 年始の基調講演では“海外×マンガアプリ”展開も公表
KADOKAWAは7日、ソニーグループを割当先とする第三者割当による新株式発行の払込手続きが完了したことを発表した。これにより、ソニーグループは1,205万4,100株を取得し、KADOKAWA株式の約10.11%を保有することとなった。 【画像】CES 2025ではアニプレックスが製作した「鬼滅の刃」も随所に登場した(参考画像) 本第三者割当による調達資金額は約499億7,629万円で、発行価額は1株につき4,146円、同日付で自己株式484万7924株の消却も完了している。今回の第三者割当増資にともない、ソニーグループはKADOKAWAの主要株主となり、大株主順位は第3位となった。(現行の第一位、第二位の株主であるKOREA SECURITIES DEPOSITORYおよび日本マスタートラスト信託銀行は、信託財産として所有するものであり、主要株主には該当しないと但し書きされている) 本件は2024年12月に発表されていた両社の資本業務提携の一環として実施されたもので、保有するIP(知的財産)価値のグローバルでの最大化に向けた連携強化を目的としている。 具体的な協業分野として、コンテンツ領域での共同出資、新たなクリエイターの共同発掘、両社IPのメディアミックス展開などを推進していく。さらに、KADOKAWAのIPの実写映画・ドラマ化やアニメ作品の共同制作、ソニーグループによるアニメのグローバル流通拡大、ゲームパブリッシングの拡大、バーチャル分野での人材育成などについても取り組みを進める方針。
海外向けマンガアプリに再挑戦、人気作のアニメ化なども発表
また、日本時間の昨日7日に行われたIT見本市「CES 2025」におけるソニーグループの基調講演では、PlayStationのゲーム&ネットワークサービス分野、そして音楽分野に継続して注力する方針を改めて表明。アニプレックスからは「ゴースト・オブ・ツシマ」のアニメーション制作が明らかになり話題になった。 さらに、同日には北米で最大規模のアニメ配信サービスを展開する子会社クランチロールが海外向けに「マンガアプリ」をリリースする予定であることも明らかに。以前にもマンガ配信サービスを展開している同社だが、今回の新サービスでは複数の出版社と提携してコンテンツの翻訳配信を行うとしており、KADOKAWAを含むIPデベロッパー、出版社との連携強化も示唆された。
編集部 経済・社会担当