ＳＩＭカードの不正売買事件の構図

　スマートフォンの通信に必要なSIMカードを携帯電話販売会社からだまし取ったとして、警視庁は、職業不詳の古関陽介（38）=東京都杉並区=、「百瀬恵」として活動している自称声優の萩原百恵（31）=東京都新宿区=の両容疑者ら4人を詐欺容疑などで逮捕し、30日発表した。いずれも容疑を認めているという。 【写真】「SIM案件」は闇バイト、知らぬ間に犯罪に加担　記者が連絡すると 　これまでに不正売買グループのメンバー約20人が同容疑などで逮捕されており、メンバーの自宅からは約200枚のSIMカードが見つかったという。警視庁は、集めたSIMカードの大半は特殊詐欺で被害者をだますメールの送信に使われたとみて調べている。 　暴力団対策課によると、4人は他の者と共謀して2022年3月15～21日ごろ、4回にわたり、ネット通販サイトで、萩原容疑者の利用と偽ってSIMカードを契約し、4枚をだまし取った疑いがある。 　古関容疑者は「異業種交流会」で萩原容疑者と知り合い、「おこづかい案件」「SIM案件」などとSIMカードを不正契約するよう持ちかけたという。萩原容疑者は契約したSIMカードをグループの上位者に郵送し、1回線あたり月約3千円を受け取っていた。SIMカードはさらに上位者に渡され、報酬が支払われていたという。（福冨旅史、三井新）