仕事をえり好み「1000日以上」指示を待ち続け…積極性皆無“地雷社員”に裁判所が下した判断
ジャッジ
裁判所 「解雇OK! 理由はザッと以下のとおりです」 ・たしかに自分の得意分野における技術力は高い ・しかし不得意分野の作業を率先して行わない ・作業を早く完了させて他の仕事を取りにいく姿勢がない ・基本的に指示待ち ・完了させても上司に報告しない ・自分の空き時間を関係者に知らせない ・ほかのメンバーの仕事を手伝うなどの主体性、積極性がない ・積極的に研さんする機会が与えられたのに、1000日以上の仕事待ち状態のときでも何の計画性も持たずに漫然と時間を費やした ーー 会社から与えられた仕事をえり好みしていた点は、いかがでしょうか? 裁判所 「自分の不得意な仕事だから活躍の場が与えられてない! とか、偏屈な考え方です。会社の指示に従わず手待ち時間を漫然と過ごしており、解雇OKを基礎付けるひとつの事情として認定しました」 裁判所 「Xさんは、自身の問題点をそもそも自身が得意とする仕事を割り振られていない会社側の問題点であるとすり替えて、自らの意識や仕事ぶりを全く顧みることなく、他のメンバーとの協働に支障を来していることにも思いが至っていない。『積極性』の意味を手前勝手に解釈してこれに反する考えを一切受け入れず、ほか諸々の事情を考慮すると、本件解雇は社会通念上相当です」 というわけで解雇OKとなりました。会社はよく8年もガマンしましたよね。裁判所は「8年も改善しなかったんだから改善の余地ナシだな」と判断したと思います。でも、たとえ1年目であったとしてもこれほどの地雷社員であれば解雇OKになる可能性はあると思います。 ただ、いきなり解雇しても裁判所が「ダメ~」というおそれがあるので、今回の会社がとったような数か月の業務改善プラン(PIP)を実施することは必須だと思います。コツコツと手順を踏んでいくことが肝要です。 今回は以上です。これからも労働関係の知恵をお届けします。またお会いしましょう!
林 孝匡(弁護士)