最近やけに「頭が重い」と感じたら「首下がり症候群」かも…?日常生活に支障をきたす「現代病」の恐怖
---------- 首が重く感じる、上を向きづらい、歩くとふらつく。こんな違和感をおぼえたら要注意……。ライフスタイルの変化にともなって急増している「首下がり症候群」について、著書に『急増する「首下がり症」どう防ぐ、どう治す』(ワニ・プラス)がある医師の遠藤健司氏が、図解をまじえながら解説する。 ---------- 【写真】実家の母が「首下がり症候群」になってしまった…!
こんな違和感をおぼえたら要注意
首の後ろに違和感がある、あるいは普通に立っているだけなのにやけに頭が重く感じられる。 「頭が重い」といっても、頭痛などの症状ではなく、物理的に頭の重量が感じられ、それが「重い」と思えてしまう、まっすぐ前を向いているのが疲れる、下を向くと楽になる違和感……。 その感覚は、「首下がり症候群」の始まりなのかもしれません。 「首下がり症候群」とは、頭が下がってしまい、前を向いていられなくなる症状を指します。 症状が進むと、あごがのどにつくようになり、歩くときにふらついたり、口に入れた飲み物や食べ物を飲み込むことが難しくなり、いままでの日常生活に支障をきたしてしまいます。 原因は主に2つ考えられます。ひとつは加齢からくる筋力の低下、もうひとつは内科的原因による2次性の首下がり症です。そのため、2次的なものであるかどうかの診断はとても大切です。 首下がり症候群の陰に他の疾病が隠れていないかをチェックしましょう。周囲の人を確認することもできるので、日々の様子をチェックして早めな対応を目指してください。 □手が震える □歩幅が小刻みになった □歩くときに足が上がらなくなった □背中が曲がってきた □物忘れが多くなった □声が出しづらくなった □首に放射線治療をしたことがある 当てはまる項目があったら、首下がりの症状の背後に内科系や脳・神経系の病気が隠れている可能性があります。早めに医療機関で相談しましょう。
症状が進行するとこんな状態に……
症状が進行した人の立ち姿を横から見ると、数字の「7」のように頭が真下を向いてしまい、そのままだとバランスが悪いのでお腹を突き出す姿勢にならざるを得なくなっています。 前方を確認したいときは、指であご先を持ち上げるようにして頭を起こすしかありません。ぽっこりお腹は、「首下がり症候群」でよく見られる症状です。 人の姿勢を観察すると、頭が下を向いてしまっている人、前を向いていられない人、首が前に傾いていて、お腹を突き出して歩いている人が意外と多いことに気づきます。 そうした人たちは、歩くのも不自由で、小さい歩幅で少しずつゆっくりとしか歩けません。 前が見えないのと、体のバランスが崩れているので普通に歩くことができなくなり、ふらついています。