【連載】会社員が自転車で南極点へ1 抱き続けた夢実現への一歩とは
テントを詰め込んだ荷物は40キロに
バスから降りて、荷物をカートに載せる。食料や燃料は現地で調達する予定だったので日本からは持っていかなかったが、それでも自転車や寝袋、テントを詰め込んだ荷物は40キロにもなった。自分の体より大きな荷物を押して、僕は関西空港のゲートをくぐった。空港のアナウンスが、頭に響いた。 2015年12月24日、12時20分。エールフランス291便は、時刻通りに離陸。地面がどんどん小さくなり、やがて、景色は、空と海だけになった。 ■大島義史(おおしま・よしふみ)1984年広島県生まれ。学生時代から自転車の旅に魅せられ、社会人になった後も有給休暇を取って自転車で世界を駆け巡る。長年にわたり会社や家族と話し合い、2015年12月に有給休暇を取って自転車で南極点へ行く旅に挑み、2016年1月に南極点へ到達を果たす。同月帰国後は間もなく職場へ復帰した。神戸市在住の会社員。インタビューでは「僕は冒険家じゃない、サラリーマンですから」と答えている。