海女の仕事の魅力語る 白浜の2人が南房総中で(千葉県)
南房総市の南房総中学校で、「海女さんの仕事について」をテーマに、同市白浜地区の小谷一子さん(88)と小谷りょう子さん(73)が講演した。全校生徒と保護者、教職員ら約250人が聴講し、同地区で引き継がれている海女漁について学んだ。 講演は同校の家庭教育学級として開催された。千倉中と白浜中が統合して今年4月に誕生した南房総中では、千倉、白浜両地区の歴史や伝統を学ぶことを通して、郷土愛を育んでもらおうと、家庭教育学級に各地区から講師を招いてる。 この日は、16~80歳の約64年間、海女漁をしてきた小谷一子さんと、根本地区唯一の現役海女の小谷りょう子さんが講師となり、海女漁での体験談や装備とその変遷を紹介した。 2人は、状況が変化する海底では作業に注意が必要であることや危険な生き物との出合い、水圧で耳にダメージを受けてしまうことなどの苦労話の他、イルカとにらめっこしたことや、カジメの変化が秋の訪れを教えてくれることなど、海女ならではの楽しみについて語った。 道具の解説では、生徒の1人が伝統の白い海女着を着て登場。ヨモギの葉を使って水中眼鏡のくもり止めをしていたことや、ウエットスーツになって浮力が付くようになったことなどを紹介した。 小谷一子さんは「イルカとの出合いはとても印象的。漁の中で海中の景色を楽しむことができるのも海女の仕事の魅力」と笑顔。小谷りょう子さんは「海が好きで海女の仕事をしている。海女・海士人口の減少で伝統が絶えないように、さまざまな方法で伝統を絶やさないようにできたら」と話していた。