内申点重視で複雑な神奈川高校をどう分析する? 早稲田アカデミー高校入試報告会をレポート【2024年度】
高校受験は都道府県によって制度や対応が大きく異なる。特に神奈川県の高校受験は、中学校時代の内申点を重視する傾向が強い。そこで、2024年の『早稲田アカデミー 高校入試報告会』を取材。2024年の神奈川県の高校入試動向や、それに対する早稲田アカデミーの指導方針を確認した。 3月17日、横浜は人出も多く、コロナ禍後の平常に戻ったことを実感させる。駅西口から徒歩5分のところにある横浜ビジョンセンターで、『早稲田アカデミー 高校入試報告会』が行われた。 まず、早稲田アカデミーの中学3年の受験生たちの1年の健闘を描く動画が流される。講師が「あなたたち自身が主人公です」と語り、真剣な顔で生徒たちが聞き入る。 首都圏の高校受験では早稲田アカデミーは圧倒的な合格実績を誇り、難関高校の対策に強い塾として認知されているはずだ。その早稲田アカデミーもこういった報告会をオンラインではなく、対面で行うのは5年ぶりだという。神奈川の高校入試は特に内申点を重視する。そういった地域性が色濃く表れる高校入試を早稲田アカデミーはどう報告するのだろうか。
私立志望者も3教科より5教科で対策を
山口翔吾第七事業部次長兼ExiVたまプラーザ校校長が登壇し、挨拶として入試の概要を話す。第七事業部とは神奈川エリアのことをいう。 今春、中学を卒業した生徒たちはコロナ禍で学校選びも難しかった世代だ。そして、今、教育制度はさまざまに変革されつつあり、変更が多い。東京都は高校無償化を発表し、神奈川県の高校入試もこの春から変更点があった。 一方で、コロナ禍では遠方の学校や複数の学校を受けるなどのチャレンジをせず安定志向だったが、それが薄まってきた。そういった変化のある高校受験が続いているが、早稲田アカデミーは全体的な学力を上げることでより広い選択肢が得られると考えている。 私立高校入試は3教科と5教科がある。国公立は5教科だ。そのため5教科で対策することで、私立も国公立も受けられる。学力があれば入試に変更があっても乗りこえることができる。変化が多い時期だからこそ、広範囲で学力を高めたい。 2024年は、神奈川の18校舎だけで早慶附属高校に220名以上合格している。神奈川県下には慶應義塾高校、そして、慶應湘南の2つの慶應の付属校が存在する。後者は共学で高校入試は帰国子女入試のみ。前者は男子校で神奈川の高校入試では数少ない内申点を加味しない入試を行っている。そのため、慶應義塾高校は、模試での成績がよい男子生徒にはマッチした入試スタイルの高校となろう。