教員志望の大学生が高校生に「闇バイト加担防止授業」を実施!川柳、グループワーク、模擬実演など多彩な授業方法で呼びかけ「闇バイトは、“犯罪実行者募集”の誘い」
愛知県警本部監修のもと行われた今回の授業。久野教授によると、大学生たちは授業内容を考えるなかで、県警で闇バイトなどSNSが関係する犯罪や被害状況などを実際に学び、知識を深めていったという。なかでも、大学生たちの心を揺さぶったのは、「“闇バイト”は、“犯罪実行者募集”の誘い」という県警からのメッセージ。「これはかなり、学生たちのなかでも意識した部分だと思います」と、久野教授は話す。
知識はもちろん、授業の展開や見せ方にも“大学生ならでは”の工夫を落とし込まれていた各授業。久野教授によると、SNSの画面を用いたスライドで実際に闇バイト募集時に行われるやり取りを紹介したり、そのやり取りを生徒同士で実演してみるなど、“当事者意識”を体感できる授業が行われていたようだ。
なかには、「どちらが闇バイトの募集か考えてみよう!」と題した架空の求人募集例を起用したワークシートを準備したり、闇バイト防止をテーマに川柳を詠んでみるなど、趣向を凝らした展開もみられたという。
久野教授らは授業後、高校生たちを対象にアンケートを実施。約9割が特殊詐欺・闇バイトに対して危険を感じており、約7割以上が同犯罪に関して理解が深まったと答えた。一方で、「インスタグラムやLINEでも闇バイトに誘われることがある」、「仲の良い友達からの誘いは危険だと思っても断りにくい」という意識調査で、「はい」という回答が少数寄せられるなど、高校生を取り巻くSNS環境の実情を知るキッカケにもなったようだ。
大学生たちにとっては、在学中に経験できる最後の模擬授業となった今回。 学生たちからは、「闇バイトについて知識を深めて臨んだつもりだったが、新しい視点を生徒たちからもらえることができ、充実した50分間だった」、「授業準備の段階では浮かばなかったアイデアがひらめいたり、生徒が出してくれた意見と自分のアイデアを融合することができた」など感想が寄せられ、また「勉強を教える教師である自分が、生徒以上に勉強をすることが大切。学び続ける姿勢で教員の仕事に携わりたい」と、今後の姿勢につながる経験を得た学生も。