33歳の前田公輝「プレッシャーを利用したい」、韓国人気作をミュージカル化 単独主演に意欲
『「私をもらって」~追憶編~』(NTV)など、2024年は主演ドラマが相次いだ、俳優・前田公輝が、韓国の大ヒットウェブコミックを、世界で初めてミュージカルにした舞台『ミセン』で、初のミュージカル単独主演を務めることに。11月6日にその会見が大阪市内でおこなわれ、いろいろと「初めて尽くし」の舞台について語った。 【写真】笑顔を見せる前田 ■ 韓国のみならず中国、日本でも既にドラマ化 『ミセン(未生)』は、囲碁のプロ棋士を目指していた青年チャン・グレが、夢破れて商社のインターンとなり、同期の仲間とともに成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。「ミセンシンドローム」という言葉を生み出すほどの社会現象となり、韓国のみならず中国、日本でもリメイクされドラマ化(中島裕翔主演)された人気作だ。今回はホリプロと韓国のクリエイター陣がタッグを組み、なんと1月の大阪公演がワールドプレミアとなる。 『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(CX)のタイトルで放送された、日本版ドラマが好きだったという前田は「積み重ねが魅力的な作品なので、(舞台向けに)話を凝縮したらそれが伝わるかな? と思っていたけど、台本を読んだら泣きました」と、脚本段階でグッと来たことを明かす。さらに「チャン・グレは感情を表に出さないキャラだけど、ミュージカルにすることで、内に秘めた思いが歌で出てくるのでは」と、舞台ならではの見え方に期待を寄せる。 ■ 「プレッシャーを利用したい」(前田) ミュージカルの出演は今回が3作目で「まだまだ吸収させていただきたい」と感じるなかでの主演。もちろんプレッシャーはあるが「逆にそれを利用したい」という、したたかなプランも。 「チャン・グレはコネで入社して、同期のようなスキルを持っていないことに打ちひしがれるけど、彼らとは違うところで自分らしさを磨いていく。自信がない状態で入っていくという部分がリンクしているので、それを利用して舞台に立てたら」と明かし、楽曲について聞かれると「1曲のなかに3曲ぐらいあるんじゃないか? というような構成の曲もあって。人間の心情や状況が日々変わることを表す、そういう楽曲が散りばめられている気がします」と、高度な音楽であることも説明。 「韓国の物語ならではの引き込む力と、日本のリアリティのバランスを融合して、完成に近づけられるよう頑張りたい」と決意を語り、さらに東京ではなく大阪で初日を迎えるという珍しい状況には「新幹線や飛行機というツールが間にあって、初日に挑めるのが割と楽しみ。チャン・グレが囲碁というホームから、未知の世界に飛び込んだときのような思いを宿して、移動できたらと思います」と、意気込みを語った。 前田のほかには、橋本じゅん、清水くるみ、内海啓貴、安蘭けいなどが出演。ミュージカル『キングアーサー』日本版で高く評価された韓国のホープ、オ・ルピナの演出にも注目だ。大阪公演は1月10日~14日に「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)にて。10日はプレビュー公演で、11日が初日となる。チケットは特別席1万5000円、S席1万4000円ほか、11月13日から発売開始。2月には愛知、東京公演もあり。 取材・文・写真/吉永美和子