33年ぶり御開帳 金沢・波着寺、十一面観世音菩薩
●19日、郷土史学会が検証 金沢市石引2丁目の真言宗波着寺(はちゃくじ)は18日、本尊の秘仏である十一面観世音菩薩を33年ぶりに開帳し、石川郷土史学会の横山方子副会長の案内で約20人が拝観した。20日まで開帳する。 十一面観世音菩薩は左手に水がめを持った高さ約1・4メートルの立像。神亀年間(724~729年)の開眼と伝わり、護摩のすすで黒くなっていた。 波着寺は、白山を開山した泰澄大師が719(養老3)年に越前で創建し、戦国時代末期に加賀藩祖前田利家の縁で金沢に移った。玉川泰圓住職は「戦乱の時代をくぐり抜けた秘仏の御開帳を機に、寺を訪れてほしい」と話した。 石川郷土史学会は19日午後1時から、波着寺と曹洞宗祇陀寺(ぎだじ)で金沢探査(北國新聞社後援)を開く。波着寺では、十一面観世音菩薩とともに、白山比咩神社にあった真言宗白山寺から移された別の本尊を確認、検証する。 神仏分離令発令から155年が経過したことを受け、学会が今年6月から取り組んでいる白山寺の寺宝に関する調査の総仕上げとなる。