本屋大賞は「流浪の月」 新型コロナ対策、異例の収録映像で発表
全国の書店員が選ぶ「2020年本屋大賞」が7日午後、発表され、凪良ゆう氏の「流浪の月」が大賞を受賞した。 【動画】全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」 2020年の受賞作を発表
「驚きすぎて言葉が出なかった」
今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、作家や書店員らが参加する形式の発表会を開催せず、事前に収録した映像で、受賞作の発表と受賞者のコメントが配信された。 この中で、凪良氏は同賞を「遠くで光っているお星様のような賞」と表現し、受賞の知らせを聞いたときには「驚きすぎて言葉が出なかった」とコメント。「読者に常に接して、読者と直接言葉を交わすことの多い書店員から支持されたのはとても嬉しい」と喜びを語った。
受賞作のテーマは「女児誘拐事件」
凪良氏はこれまで、男性同士の恋愛を描くボーイズラブ作品を手がけることが多く、受賞作は一般文芸で初めての単行本となる。同作は女児誘拐事件がテーマで、15年の時を経て巡り会う誘拐された少女と誘拐した青年の人間模様を描いている。 凪良氏は読者に向けてのメッセージとして「最近は心配なニュースが多くて、家で過ごしている人も多いと思う。そういう時はぜひ本を読んでください。おもしろい本がたくさんあります。私の『流浪の月』もその中の一冊に入れてもらえるととても嬉しいです」と述べた。
今年で17回目となる同賞は、有志の書店員で構成するNPO本屋大賞実行委員会が主催し、実際に書店で働く書店員による投票で決める。今回は全国の477書店、586人の投票により以下の10作品がノミネートした。(作品名五十音順) ・『線は、僕を描く』(砥上裕將) ・『店長がバカすぎて』(早見和真) ・『夏物語』(川上未映子) ・『熱源』(川越宗一) ・『ノースライト』(横山秀夫) ・『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(青柳碧人) ・『ムゲンのi』(知念実希人) ・『medium霊媒探偵城塚翡翠』(相沢沙呼) ・『ライオンのおやつ』(小川糸) ・『流浪の月』(凪良ゆう)